皮膚科AtoZ ミルディス皮フ科 東京都 足立区 皮膚科 美容皮膚科 形成外科 アレルギー科:東京都足立区北千住で皮膚科を診療している院長の皮膚に関するブログです。

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2005年03月27日

クリニックQ&A特集

皮膚病AtoZ 03号「クリニックQ&A特集」
【ニキビ】

Q1.ピーリングローションとはどんなものですか?また、抗生物質入りの外用剤との併用はどのようにすればよいですか?

A1. 当院のピーリングローションの主成分はグリコール酸(AHA;ケミカルピーリングによく使用されています)と安定型水溶性ビタミンCからできており、防腐 剤などは配合しておりません。使用目的はグリコール酸によって皮膚表面の不要な古い角質を剥離させて、毛穴の出口で少しでもつまりにくくさせるとともに、 ビタミンCの抗酸化力によって脂質(皮脂)の酸化を抑制させることです。古い角質が除去されることによって、その他の成分も浸透しやすくなります。使用順 序としては、洗顔後にピーリングローションを顔全体に軽く擦り込むように(ふき取り化粧品の要領)使い、そのあとに炎症性ニキビ(赤ニキビ)の部位へ抗生 物質入りの外用剤を局所的に使用します。その後で、ご自身が普段からお使いの化粧水、乳液、クリーム、メークアップ化粧品を上乗せしてゆきます。
icon025.gif 参照:マイルドピーリングローションの使用方法

Q2.ニキビ治療で、ダラシンTゲル®を処方される時とダラシンローションが処方される場合がありますが、どのように使い分けるのですか?

A2.ローションの方が患部への薬剤浸透性がよいのですが、逆に基剤のエタノールによって刺激を感じる方がおられます。その場合にはゲルあるいはアクアチムクリーム®などを使用します。

Q3.ニキビ治療で、抗生剤(ミノマイシン®、クラリス®など)を内服する際に赤ニキビが少なくなった後では、自己調節をするように指導されますが、具体的にはどのように内服すればよいのでしょうか?

A3. ニキビ自体が、コントロールする疾患です。時にニキビができるのは仕方がない(特に思春期など)ことだと考えています。その際に症状が軽くすんで、ニキビ 痕(瘢痕:でこぼこ,シミ:色素沈着 など)を最小限に抑えることができればよいのではないでしょうか?そして痕を残すようなニキビはひどい炎症性ニキビ です。そのようなニキビの出き始めには先ず皆さんが誰よりも最初に予兆(ひどくなる予感:痛み、張った感じなどの違和感)を感じますから、その予兆を感じ た時に早めに抗生剤の内服を始めてもらい、痛みなどの自覚症状がなくなれば中止してもらっています。アクネ菌などは皮膚の常在菌ですから、どんなに続けて 内服しても決していなくなることはありません(細菌の数を元の数くらいまで減らす、あるいは炎症を軽くするのが抗生剤投与の主目的です)。またブドウ球菌 などの細菌もニキビの発生に関連しますし、むやみに連用すれば薬剤耐性菌をつくることになってしまいます。
icon025.gif 参照:ニキビ:ざ瘡(Acne)

Q4.ニキビ治療の一環として、時にメサルモン-F®を内服することがありますが、どうしてですか?また、どのような飲み方をすればよいのでしょうか?

A4. メサルモン-F®は男女性ホルモンとその前駆物質、甲状腺末からなる薬剤で、卵巣機能減衰・欠落、更年期障害に適応を有している薬剤です。女性ホルモンは 脂質代謝にも多くの役割を担っていますので、女性の方で生理前にニキビが悪くなる方に皮脂分泌抑制を目的に投与されることがあります。月経周期の変化など をきたす場合がありますので、主に生理前2週間で内服することが多いようです。

Q5.ニキビ予防で、洗顔方法など日常生活での注意点はどのようなことですか?

A5. ストレスによっても男性ホルモンの分泌が高まり、結果として皮脂分泌増加につながりますし、紫外線を浴びることによって皮脂分泌が高まるばかりか皮膚の ターンオーバーの乱れにもつながります。よごれやメークをしっかり落とすためにもクレンジングと石鹸によるダブル洗顔を行いましょう。そしてその後には化 粧水などにて十分な保湿を行います。また、食べ物に関してはナッツ類やチョコレートなどがニキビの増悪因子として一般には知られていますが、未だ医学的に は証明されていないようです。但し、ご自身でニキビの増悪を実感されるようでしたら、控えましょう。
icon025.gif 参照:ニキビ:ざ瘡(Acne)

【多汗症】

Q1.汗止めの塗り薬(制汗剤)にパウダーと液がありますが、どのように使いわけるのですか?また、主成分の塩化アルミニウムの作用について教えてください。

A1. 塩化アルミニウムは、皮膚の成分と一塊になって結晶を作り、汗の出口を塞ぐのが主な作用と考えられています(長期使用による汗腺組織の萎縮も報告はされて います)。そのため、1日の中でも交感神経が落ち着いて少しでも発汗の少ない夜に濃度の高い液剤(20%濃度が基本で、基剤には水とエタノールの2種類を 用意しています)を使用していただきます。発汗の減少が実感できれば、使用頻度を数日に1回などと減らしてゆき、最小限度で維持することを目的としていま す。一方、パウダーにはごく低濃度の塩化アルミニウムが含まれているため、症状の軽い方はこれだけでコントロールされますし、朝使用することによって、タ ルクが発汗した水分を吸着してくれます。また、わきが(腋臭症)の方の臭いを少しでもカモフラージュする目的でベルガモット(光線過敏を起こす成分を除去 したもの)を配合しています。
icon025.gif 参照:制汗剤について、塩化アルミニウムの使用法

Q2. ボトックス®などのボツリヌス菌製剤による多汗症での効果はどれくらい持続しますか?また臭いにも有効なのでしょうか?

A2. 平均すると約ワンシーズンです。多くの方は発汗量が多く、薄着になり汗ジミが気になる夏の間をボトックスで対処し、自然と発汗量も低下する冬などには市販 品か医療機関から出される塩化アルミニウム溶液ですませているようです。中には、1年中ボトックス®の効果を持続させるべく、年に複数回(ほとんどは2 回)施術される方もおられます。また、ボツリヌス菌毒素製剤の基本はエクリン汗腺からの発汗を抑制し、その結果として腋窩で水分が少ないために細菌の繁殖 が妨げられて臭いが少しは軽減するものと考えます。腋窩の発汗量ではなくて、臭いの軽減を主目的に施術することはありません。あくまでも補助的効果との認 識しています。
icon025.gif 参照:多汗症のボトックス治療体臭とスキンケア多汗症について

【アトピー性皮膚炎】

Q1.ステロイド外用剤の塗り方や使い分けはどのようにすればよいですか?全体に使用するのですか?それとも患部だけなのでしょうか?アトピー性皮膚炎の場合、よい部分とひどい部分などいろいろ混じっていますが...。

A1.

Q2.アトピー性皮膚炎の治療について、どのような基本方針でしょうか?

A2. 基本的にはいかに症状を最低限の薬剤でコントロールできるかということを柱にしています。症状には波があります。良いときもあれば、悪いときもあるだろう と思います。出来るだけよい状態を長く維持し、悪い時期を最小限にすることを考えます。症状や部位に応じてステロイド外用剤を使用し、よくなるに従って保 湿剤などのスキンケアを治療の中心に移行してゆきます。外用剤による治療が主軸であり、抗アレルギー剤などの内服は治療の補助であると考えています。内服 を併用してご自身でかゆみが軽くなるのを実感される方や、引っかき傷が少なくなるなどの目で見える効果が得られる方には処方しています。確かに背中の手が 届く範囲に一致して皮疹が悪くなっていて、背骨付近はきれいな皮膚をされている患者様もおられますので、引っ掻くという行為は悪くする因子だと思います し、ご自身で自覚されている方もおられます。引っ掻くという行為が続くと、皮膚が苔癬化(皮膚がゴワゴワになる)や痒疹(1個1個の皮疹が虫刺されの痕の ように固く盛り上がる)、夏には容易に「とびひ(伝染性膿痂疹)」を引き起こします。ご自身の皮疹の状態がどれくらいの強さのステロイド外用剤でコント ロールできるのか、ということを少しずつでも覚えていただいて、ご自身やご家族の方にもある程度の薬剤の選択が出来るように指導してゆきたいと考えていま す。いずれにせよ、医師だけではなく患者様との二人三脚でアトピー性皮膚炎がコントロールできればよいと思います。

Q3.ステロイド外用剤の使用についてどのような考えですか?また、副作用はどのようなものでしょうか?

A3. 状態に応じて、ステロイドは適切に使用すべきだと考えています。保湿剤や非ステロイド外用剤だけで患者さま全員がずっとコントロール出来るものだとは考え ていません。但し、使用にあたっては症状や部位に応じてすてロイド外用剤の強さを変更する、あるいは保湿剤単独のスキンケアへと移ってゆきます。未だにス テロイド外用剤についての誤解されていることも多いようです。例えば、ステロイド外用剤を使用すると皮膚が黒くなる、ステロイド外用剤を中止するとリバウ ンドが起きる、などです。しかし、副作用があるのも事実です。ステロイド外用剤を使用すると、皮膚の炎症を抑えるとともに塗った皮膚の抵抗力(免疫力)が 低下しますので、細菌、カビ、ウイルスが付着したり増加してニキビやヘルペスをひどくする場合があります。今までと違う症状がでた場合には早めにご相談下 さい。中止、あるいは適切な薬剤の使用によって短期間で治療できます。また、クスリの吸収がよい部位(顔面:毛包脂腺系が発達している,陰嚢やご老人の皮 膚:皮膚が薄い など)に長期間にわたって強いステロイド外用剤を使用すると小さな血管が浮き出たり、皮膚が薄くなってくることがあります。病変の部位を 選んで適切な強さで外用し、クスリを休む期間を設けたり、免疫抑制剤(プロトピック®)などを使用することによって、これらの症状を避けることが出来ま す。
icon025.gif 参照:院内にパンフレットをご用意しています

Q4.いわゆる民間療法については、どう思いますか?

A4. 現時点で、西洋医学的見地からみて有効性が実証されていないからといって、その有用性を完全に否定すべきものではないと思います。但し、あまりにも改善が 見られない場合や、高額なものはいかがなものでしょうか?中には民間療法で改善される方もおられるのでしょうが、その割合はどの程度のものなのでしょう か?私は医学的治療を優先し、スキンケアやサプリメントなどの一環として補助的に使用するものだと考えています。スキンケア製品として考えた場合に、使っ てもらうためには使用感というのも重要な因子だと思いますので。

【円形脱毛症】

Q1.円形脱毛症の際に、グリチロン®やセファランチン®といった内服薬とともにフロジン®液やトプシムクリーム®(ステロイド)などが処方されますが、朝と夜の使い分けはどのように行われますか?

A1. 円形脱毛症は一種の自己免疫疾患(自分のリンパ球が毛を攻撃して脱毛する)と考えられており、それを抑えるためにステロイドやシクロスポリンなどの免疫抑 制剤が使用されます。また、よく男性の育毛剤の広告にみられるように血流促進(毛への血の流れをよくする)作用も重要と考えられているために、フロジン® 液(塩化プロニウム:副交感神経刺激薬で血管拡張作用を有する)が使用されます。当院では主に患者様の使用感の観点から、朝にはべとつかないフロジン® 液、夜にはステロイドクリームを使用してもらっています。ステロイドにも液剤がありますが、髪などへ付着するなど多量に不必要に使用されるきらいがあるた めに、クリームを基本としています。

【シミ(肝斑)】

Q1. シミ(肝斑)の患者さんにビタミンCとともにトランサミン®(トラネキサム酸:抗プラスミン薬で線用系が亢進した際の止血剤であるが、湿疹,蕁麻疹,薬 疹,扁桃炎などの際にもよく処方されます。これはプラスミンによるアラキドン酸の遊離やプロスタグランディン産生を抑制するといった抗炎症・抗アレルギー 作用を期待したものです。)が処方されますが、どのような効果があるのでしょうか?また、使用できないのはどのような疾患があるときですか?

A2. トラネキサム酸が肝斑に有効であることが報告されたのは1979年のことだそうです。その後、日本においては次第に広く皮膚科医の間では使用されていま す。本邦では自家製剤のハイドロキノン以外に有効な治療法が長らくなかったことも関係するのかも知れません。紫外線や妊娠、あるいは経口避妊薬の服用にて 皮膚局所のプラスミン活性が高まって、メラノサイトが刺激を受けてメラニン色素の産生が増加します。そこにトラネキサム酸の抗プラスミン作用でメラノサイ トを刺激する因子を抑えることによって効果を発揮するのではないかと考えられています。内服を開始して1~2ヶ月で効果が出始めることが多いようですが、 内服中止によって再燃してきます。また肝斑は紫外線によって悪化しますので、サンスクリーン剤を適切に使用することも重要です。ハイドロキノンやレチノイ ン酸の外用を併用することによって効果が高まることが知られています。最近では、日本の大手化粧品会社から医薬部外品(薬用化粧品)も販売されています。 高脂血症や心疾患などのために抗凝固療法を行っている方へは使用されません。その他、ビタミンCやビタミンEの内服も有効であることが知られています。

【レーザー脱毛】

Q1.エステの脱毛と医療機関での脱毛の違いは?

A1. 現在ではレーザー脱毛はエステでは行えません(医療行為にあたります)。エステで行われているのは「光」脱毛(フラッシュランプを使用した機器)です。出 力の問題もあり、不十分なことも多いようです。最近では医療機関での脱毛も広く普及しており、アフターケアのことを考えても医療機関での脱毛をお勧めしま す。

【ボトックス】

Q1.ボトックス®の小顔効果というのは、どのような作用によって出てくるのでしょうか?また、どのような人が適応になるのでしょうか?

A1. 歯を強く噛み締めた時に盛り上がるエラ(下顎角)部分の筋肉(咬筋)を痩せさせることによって効果を発揮します。ボツリヌス菌毒素製剤には神経終末からの アセチルコリンという物質が出されるのをブロックし、筋肉への指令が伝わらないために筋肉の動きが抑えられます。長い時間この状態が続くと、次第に筋肉は 動かさないことによる痩せ(廃用性萎縮と言います)を起こしてきます。注射すると数日後から1週間後くらいには噛み締めても咬筋が固く盛り上がりにくくな り、2~3ヵ月後から痩せを実感することが多く、その程度に応じて3ヶ月くらいの間隔で繰り返します。この注射によって物が噛めなくなることはありません が、多少固いものが噛みにくい、あるいは長く噛んでいると疲れやすいなどの症状を訴える方が時におられますが、数週間でなくなります。このように咬筋が発 達していることによってエラが張ったようにみえる方ほど効果的です。

Q2. ボトックス®によるシワ治療では、どのような部位が有効なのでしょうか?

A2. 筋肉の動きを抑えることによって効果を発揮しますので、筋肉の収縮によって出来る、いわゆる顔面表情ジワと呼ばれるシワの治療に使用されます。おもには額 の横ジワ、眉間の縦ジワ、目じりのカラスの足跡などです。その他に、下顎のオトガイ筋の緊張によって梅干のような凸凹なども適応になります。
icon025.gif 参照:シワ・各種治療法について

Q3. ボトックス®というのはボツリヌス菌毒素だと聞きましたが、副作用が心配です。どのような副作用や合併症があるのでしょうか?

A3. ごく微量の毒素の局所注射ですので身体には無害です。ボツリヌス毒素の人体に対する致死量は筋肉注射の場合,3000〜30000単位とされており,この 治療法での使用量は額や眉間で各20単位位ですので、心配は不要とされています。施術後に一過性(数日間)の軽い頭痛を訴える方がおられますが、ほとんど の合併症は針を刺すという行為に伴う軽い内出血など局所も問題です。

投稿者 mildix : 02:26

紫外線と海水浴に伴う皮膚病

皮膚病AtoZ 「紫外線と海水浴に伴う皮膚病」
2001年7月熊本県でビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)感染症の死者を含む患者が発生したとの報道がなされて話題になりました。このビブリオによる感染には、汚染した海産物を十分に加熱 しないで食べる(経口感染),あるいは,ビブリオを含んだ海水に傷口をつける(経皮感染)二つのタイプがありますが、ほとんどは前者のようです。健常人で もビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)が,口から入ることにより,嘔吐・腹痛・下痢を起こすことがあります。免疫力の低下した人(肝炎や肝癌、ステロイド治療中の方な ど)では,ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)は,発熱・悪寒を伴う敗血症を起こし,急激に皮膚の水疱・低血圧・ショック状態などが進行し、死亡する場合もあります。壊死性筋膜 炎などを起こす状態から、人食いバクテリアと恐れられています。さて、今回は海水浴に伴う皮膚病についてのお話です。

icon037.gif 紫外線に伴う急性の皮膚病 icon037.gif

1)日焼け(sunburn):やけどと同じです。
以 前は小麦色の肌がもたらす健康的なイメージに多くの人が憧れました。また、食糧事情がよくなかった時代には日光浴によって活性型ビタミンDを作る目的も あったのか、子どもたちは日光浴を推奨されていました。しかし、現在では紫外線はシミやシワをはじめとする皮膚の老化を早めたり、発ガン性も有しているこ とが広く知られており、いかに紫外線を防御するかということが重要になってきています。日焼けにはサンバーン(sunburn:紫外線に暴露した直後に現 れる赤い日焼け、主にUV-Bによる)とサンタン(suntan:赤い日焼けが消えた後に現れて数週間から数ヶ月続く黒い日焼け、主にUV-Aによる)が あります。紫外線量は6月~8月にかけて、1日のうちの正午をはさむ数時間で最大になります。サンバーンは私たちが感じることの出来ない紫外線によって出 現します。暑さを感じるのは主に赤外線によるものですから、灼熱の状態でなくてもサンバーンを起こしますので注意しましょう。ゴルフや釣りなども要注意で す。日頃から、
①長袖の衣服、②帽子、③サングラス、④日焼け止め、⑤日傘などを効果的に利用しましょう。サンバーンを起こすと、幹部は真っ赤になりヒリヒリ痛みます。症状が強いと水疱が出てきます。夏場の外出ではサンスクリーン(日焼け止め)をお使いになるほうが良いでしょう。また熱中症に備えて、水分補給をお忘れなく...。

icon025.gif 環境省から、「紫外線保健指導マニュアル (http://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_manual.html)」が出されています。
また各種検索サイトからも紫外線情報が簡単に得られます。

①冷却:流水、冷水、アイスノン、カーマインローションなど
②ステロイド外用剤(軟膏)の塗布:軟膏基剤を選んでください。クリームでは刺激を来たします。
③ひどい場合にはステロドや消炎鎮痛剤の内服:早めに病院を受診しましょう。痛みが早く軽減します。


icon049.gif サンスクリーン(日焼け止め)について
紫 外線(主にUV-B)に暴露されて、数時間後には皮膚にうっすらと赤み(紅斑)がでますが、この広範をもとにサンスクリーンの紫外線防御効果(SPF: Sun Protection Factor)が決められています。(サンスクリーンを塗った時の紅斑が出現するまでの時間)=(サンスクリーンを塗らなかった時の紅斑が出現するまでの 時間)×SPFと考えればよいので、平均的な日本人の場合は真夏の強い紫外線のもとでは素肌は15分から25分で紅斑が出現しますので、SPF15のサン スクリーン使用により、紅斑が現れるまでの時間はその15倍の時間、すなわち4時間から6時間かかります。この表示は1cm2あたり2mg外用した時の効 果ですから、しっかり外用し、時に塗りなおしをしないと確実な効果は得られません。一方、PAはUV-Aに対する効果で、+から+++までの3段階表示で す。通常はSPF10~20を基本とし、アウトドアスポーツなどでは30~50で耐水性の高いものを選べばよいでしょう。また、肌が敏感な方は紫外線吸収 剤を含まないものを選ぶようにしましょう。

icon037.gif 海水浴に伴う皮膚病 icon037.gif

1)プランクトン皮膚炎:海水浴皮膚炎とも呼びます。
海 水浴に行って生じる皮膚炎のなかには、クラゲに刺されたり、日焼けなど原因が本人に分かるものが多いのですが、海水浴皮膚炎(sea bather's dermatitis)といって、水着の中に入り込んだプランクトンなど原生動物の幼虫(主にコメツキダニの幼虫のゾエア)により生じる皮膚炎は本人に はっきりした自覚がありません。これは海水浴の当日の夜から翌日に、水着に覆われた部位(腰や臀部)にかゆみの強い赤いブツブツした発疹ができるもので す。患部にはステロイド外用剤を塗ります。

2)クラゲ刺傷:Jerryfish Dermatitis
クラゲを始 め、イソギンチャク・サンゴなどは刺胞動物(腔腸動物)と呼ばれます。触手には刺胞という「トゲ」のようなものがたくさんついていて、その刺胞の中には毒 液が含まれています。一本の触手が触れると数千の刺胞が皮膚に刺さり、刺胞がはじけて中の毒が皮膚内に入り強い炎症を引き起こします。日本で、人を刺すク ラゲが大きく成長するのは8月頃からです。多いのはカツオノエボシ、アンドンクラゲ、アカクラゲです。刺されると患部がムチで打たれた痕のように線状(み みず腫れのよう)に赤く腫れます。時にハチ毒と同じように、アナフィラキシー症状で呼吸困難など激しい症状を来たすことがありますので注意が必要です。ク ラゲに刺されたら、刺胞がはじけないように触手を取り除くことが重要です。先ず、タオルなどやわらかい布(素手で行なうと刺される場合があります)で軽く 拭くように海水を使って触手を洗い流し取り除く(真水で洗うと、浸透圧の関係で刺胞がはじけやすくなります)ようにします。このとき絶対に強くこすらない ようにすることが重要です。 クラゲの毒液はアルコールにも弱いといわれ、海水で洗った後に、アルコール類をかけるのもよいという説もあります。温めたタオルなどで患部をおさえると、 疼痛が和らぐようです。放置すると、初期の痛みが引いた後に皮膚に刺さった刺胞が時間とともに破れて再度赤みや痛みが出てきます。時に二次感染を起こして 化膿したり、強い炎症のあとに潰瘍を作り、ケロイド状に盛り上がることもあります。早めに皮膚科を受診しましょう。

3)ウニ刺傷:Sea-urchin Dermatitis
ウ ニとヒトデは同じ棘皮動物に分類されるもので同じ性質の棘を持っています。ウニの1種(Globiferous pedicellariae)は,人間の皮膚をも貫く顎を備えた毒物器官を持つそうですが,実際の被害はまれとのこと。やはり、はるかに多いのはウニの棘 による受傷で,棘が皮膚の中で砕けて局所に炎症を起こします。除去しなければ,棘はさらに深部の組織へと入り込み,肉芽腫性病変(硬いしこり)を生じるこ とがあります。異物肉芽腫だけでなく、中には非定型坑酸菌が検出される症例もあるようです。ウニの棘はできる限り直ちに除去すべきです。また棘が大きいと きにはX線で見える場合もありますので、取り残しが無いかどうかの確認に有用です。表面の棘のほとんどが酢で分解されることから、日に数回,酢の中で傷を 洗い,酢で湿らせた圧迫ガーゼを当てておくとよいとも言われます。棘を抜き取るために小切開を要することもあります。ヒトデもそうですが、ウニの被害は海 岸を素足で歩いたり、素手でウニを採取しようとして生じます。

投稿者 mildix : 02:09

2005年03月26日

水虫治療の実際

皮膚病AtoZ 01号「水虫治療の実際」
水虫は水虫菌(主に白癬菌という真菌:カビ)がケラチンからなる皮膚の角質や爪に感染・寄生して起きるものです。食べ物にカビがつく場合も同じですが、高温多湿といった環境で発育しやすいので、夏の季節に悪化しますし、靴や靴下をはくために蒸れやすい足によく見られます。以前に基礎的なお話をしましたので、今回はより当院で行っている実践的な治療について述べます。

1)診断:皮膚や爪の一部をメスで削り、真菌(カビ)が顕微鏡で見えるかどうかを検査します。痛みはございませんので安心してください。真菌(カビ)の成分が認められて初めて水虫と診断できます。見つからなくても、その時に偶然見つからなかっただけという可能性がありますので、水虫ではないと即断は出来ません。出来るだけクスリを使用しない状態で来院下さい。日を変えて検査をして水虫かどうかを確定してゆきます。

2)治療法の選択:皮膚だけの場合と爪にも水虫がいる場合では治療法が異なります。
① 足白癬症(足水虫):塗り薬(クリーム)が基本です。完治を目指して、完全に水疱やがさがさが無くなってからも数ヶ月以上は塗り続けます。全ての足趾の股から足の裏、足のへりに薄く広くを基本に毎日風呂上りに外用します。
・ 趾間型:かぶれやバイ菌が入って化膿している時には、そちらの治療を最初に行います。
かぶれ:ステロイド外用剤や亜鉛華軟膏
バイ菌による化膿:抗生物質の内服や外用
・ 角質増殖型:内服薬や尿素軟膏(角質を薄くして、薬剤の浸透を高める)などを併用しないと治りにくいタイプです。
② 爪白癬症(爪水虫):飲み薬が基本です。爪には薬が中々吸収されないためです。主に下記の2種類が使用されます。昔の薬(グリセオフルビン)に比べると治癒率が高くなっていますし、副作用も少なくなっています。さらに薬剤の角質への親和性が高い(長く爪に留まる)ため、実際に内服している期間がぐんと短くなりました。但し、爪の治り方の基本は、爪の根元から新しいきれいな爪が生えてきて、段々と汚い濁った厚い爪の先へ進んで割合が少なくなるというものです。治るまでの期間は、その人の爪の伸びる速度や爪が縦にどれくらい真菌に侵されているか(変形・変色しているか)によって異なります。足の爪は1ヶ月で約1mmしか伸びません。そのために治癒までにはどうしても数ヶ月以上の期間がかかります。ご本人のスタイルに合った薬剤を選んで始めましょう。
・ イトリゾール®:1回4カプセルを1日2回、7日間(1週間)内服し、3週間お休みするというサイクルを3回繰り返すパルス療法が主体です。薬剤の相互作用(飲み合わせ)に注意すること。薬剤費が高めです。
・ ラミシール®:現時点では、1日1回1錠を食後に内服するのを約6ヶ月続ける方法が主体です。時に肝機能障害や味覚障害。薬剤相互作用が少ないのと薬剤費が少し安価なのが利点です。
*薬剤内服開始前に採血を行って、肝臓などの機能の評価を行います(以後の採血結果との比較に必要です)。
*現在の内服薬をお教え下さい。

3)爪白癬症(爪水虫)の治療効果をあげるための方法
同じ爪水虫でも、爪の伸びが遅い高齢者、極度に厚い爪、爪床から浮き上がった爪(爪甲剥離)、爪の両端の病変、縦に細長く病変がある爪、などは内服薬剤の病変への移行がよくないなどの理由で治りがよくないとされています。少しでも改善するために、爪の表面をルーター(やすりの付いたドリル)で削ってゆきます。その上から坑真菌剤(液剤)を外用します。爪の表面が白く混濁する表層混濁型では特に有効です。

4)再診時に行うこと
採血:特にラミシール®については内服開始1ヵ月後と2ヶ月後の採血が義務付けられています。また、体調不良などを認めた際にはお申し出下さい。適宜採血などで確認をいたします。また、内服終了時にも確認をいたします。
爪削り:厚い爪は治りにくいので、時々爪表面を削って、薬剤の浸透を助けます。水虫になると爪は脆くなっていますので、先端の切りすぎに注意してください。
顕微鏡による真菌検査:内服中や内服終了後にも時々真菌検査を行い、薬剤の効果などを確認します。
副作用や合併症が無いか、クスリの効果を確認:水疱やがさがさが無くなったかどうか?爪の根元に新しい爪が生えて爪の混濁が減少しているかどうか?を過去の写真と比較してゆきます。
また、体調不良や局所のかぶれ、痛み、じゅくじゅくになる変化など普段と異なるようであればお教え下さい。また、汗疱・異汗性湿疹とよばれる水虫とは関係の無い皮膚病が合併して、皮膚に水疱が出来たり皮がむけてくる場合があります。その際には追加でステロイドなどを外用していただきます。

5)内服終了後に行うこと
先に述べたように、最近のクスリは爪が完全に生え変わるまで飲み続ける必要はありません。爪に数ヶ月という単位でクスリが残って作用するためです。しかし、クスリは皮膚には爪ほどは長く残らない(皮膚の方が爪よりも生まれ変わりが早いため)ので、内服を終えた後にも爪の先端に残っている水虫菌がこぼれ落ちてクスリの残っていない皮膚へ再度感染してしまうのを予防するために、足全体に坑真菌剤のクリームを外用していただきます。このようにしながら、爪が完全に治ってしまうのを確認する必要があります。1ヶ月ごとに再診していただき、下記のことを行います。
・ 爪や皮膚の観察
・ 爪の真菌検査

6)最後に
家族内に同じ症状の人がいればピンポン感染を防止する意味でも同時に治療した方がよいでしょうし、水虫と思っているものが実は他の皮膚疾患の場合もあるので皮膚科を受診して、顕微鏡による検査を受けて下さい。症状にもよりますが数ヶ月から1年という期間が必要になりますので、根気よく治療を続けてください。またかぶれや化膿の症状があるときは早めに再来してください。

投稿者 mildix : 01:51

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