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2005年04月13日
多汗症について
2005,04,13, Wednesday
皮膚病AtoZ 「多汗症について」
暑い時期になってくると汗が気になりますね。更年期を迎えて顔のほてりとともに汗が多くなった方もおられるでしょう。皆さんの汗対策はいかがでしょうか?今回は汗についてお話です。
*「外用制汗剤」と「ワキのボトックス注入療法」について興味のある方は,別に資料を用意していますので,スタッフまでお申し付け下さい。
■汗について■
夏になり、気温が上がると誰しも汗の量が増えますが,これは水分を体外へ出してそれが蒸発する際に気化熱を奪われることによって温度が下がるので,体温調節の役割をしている「温熱性発汗」と言われます。それ以外に緊張すると汗が増加するような「精神性発汗」,辛いものを食べると発汗量が増える「味覚性発汗」など,発汗にも種類があります。相互に干渉しあっていて,環境温度が低いと精神性発汗の程度も軽くなることが知られています。いわゆる発汗に関係しているのはエクリン汗腺で全身に約200~500万個存在していると言われています(臭いに関係するのがアポクリン腺でワキや陰部に分布)。エクリン汗腺は交感神経支配でコリン作動性(アセチルコリンが媒介)なので,交感神経が休まる夜に汗の量も少なくなります。人間は1時間で1㍑,1日で約10㍑発汗する能力を持つと言われます。発汗が多い部位は個人差が大きいようです。年齢とともに発汗量は低下してゆき,一般的には基礎代謝量や温熱性発汗開始温度(♂:30℃,♀:32℃)の差により男性のほうが女性よりも発汗量は多いようです。
■多汗症の種類■
大きくは全身の汗の量が多くなる全身性多汗症と脇や手足など限られた部位の汗が著明に多い限局性多汗症に分けられます。全身性多汗症は内分泌疾患,神経系疾患などに伴って生じることも知られています。例えばバセドウ病,産じゅく期(産後4〜5日,女性ホルモン欠乏),糖尿病(上半身),低血糖などが知られていますので,時にこれらについての検査が必要になります。また,更年期になって顔のほてりとともに汗が増える「ホットフラッシュ」という現象もよく知られています。
■多汗の問題点■
発汗後に水分蒸発すると塩分残存しベタつきや汚れ付着しやすい,皮脂とまじり一層テカリ生じて不快感や化粧崩れ生じる,衣服の汗じみなど以外にも,あせも(汗疹),細菌が繁殖して汗臭増加(腋臭症,足臭),イボや水虫になりやすいなど皮膚疾患も多発しやすくなります。
■発汗を抑えるスキンケア■
① 汗を洗い流す:石鹸,シャンプー,シャワー,入浴。ミョウバン浴も有効です。
② 市販制汗剤:主成分はクロルヒドロキシアルミニウム(ACH,日本での主流),アルミニウム・ジルコニウム化合物(ACHよりも20〜30%高い制汗率で,米国では主流)などです。使用感からはパウダースプレー型が好まれていますが,効果が不十分であれば効果に優れるロールオン型やスティック型を試してみましょう。
③化粧崩れを抑える:脂取り紙,耐水性・耐皮脂性化粧品
④汗の吸着:シッカロール,ベビーパウダー,亜鉛華,汗とりパッド
⑤臭いのマスキング:オーデコロン
■多汗症のメディカル・ケア■
1)保存的治療:一定の効果はあるものの,効果持続期間は一時的です。体への侵襲は少ない方法です。
① 外用剤
a.塩化アルミニウム:金属塩が汗孔を閉塞したり,汗腺組織の萎縮を生じさせます。外用の主流ですが,刺激症状,衣服への着色などが生じることあります。部位や症状に合わせて水基剤とエタノール基剤や濃度の変更をします。
b. 抗コリン薬:刺激はありませんが,広範囲に使用すると時に口渇を生じることがあります。
② 内服薬
a. 抗コリン薬:プロバンサイン。前立腺肥大や緑内障の方では使用できません。
b. 抗不安薬:グランダキシン,セディールなど。
c. 漢方薬:防已黄耆湯,四逆散,茵ちん蒿湯,桂枝加竜骨牡蠣湯,補中益気湯など。
③ イオントフォレーシス:医院・自宅などで頻回に施行。専用の機械の購入が必要になります。
2)ボトックス(ボツリヌス菌毒素製剤)注入
ボトックスを直接皮膚に注射し,神経終末でのアセチルコリン放出を抑制することによって効果を発揮します。3-6ヶ月の間,効果が持続します。脇の下には著効しますので,重症例では第一選択になることもあります。手のひらでは一過性の筋力低下が生じることがあります。保存的治療と外科的治療の中間的な位置付けになります。
3)外科的治療
① 汗腺組織の除去:「わきが」の手術に準じる。ロータリーシェービング・翻転法など。
直後に比べると,その後に効果の減弱が生じますが,ある程度は永久的な効果を発揮します。血腫予防のために術後圧迫が必要になります。時に手術痕が問題になることもあります。
② 胸腔鏡下交感神経遮断:手のひらにおいては著効します。脇の下に対しては有効性が低いようです。代償性発汗(手のひらの発汗は低下するも,背中などの他部位の発汗が増す)が高率に生じるのが問題となります。
■治療の選択(どれから試すか)■
多汗症の程度には個人差があります。一般的には体への侵襲が少ない方法から順次試してゆくのがよいでしょう。外科的療法の方が効果の持続性などの点でメリットはあるものの,生じてしまった副作用も持続することになるからです。軽症の方では市販の制汗剤が一番お手軽ですし,刺激症状などを含めた副作用も少ないでしょう。それで効果が不十分であれば,次にクリニック処方の外用制汗剤(部位や症状によって種類が異なります)をお試し下さい。全身性であったり,精神性発汗の要素が強い方では内服を試用してみてもよいでしょう。ワキで効果が不十分であったり,刺激のために使用できない,頻回に使用しなければならないので不便である,というようでしたら,ボトックス(ボツリヌス菌毒素)注入療法をお勧めします。手足では外用制汗剤の効果が不十分なことが少なくないので,濃度を変更したり,組み合わせでの使用を試みてもよいでしょう。イオントフォレーシスも有効な場合があります。これらいずれにおいても効果に満足が得られなかった際には,そのリスクをも考慮した上で外科的治療をお考え下さい。ワキについては,外科的治療を行っても発汗減少にとどまるため,中には夏にはボトックス注入療法や外用制汗剤を組み合わせて対処している方もおられます。
皆さん,それぞれが自分にあった方法で適切な汗の処理を行い,快適な生活をお送りください。不明な点がございましたら,お気軽にご相談下さい。
Q1.汗止めの塗り薬(制汗剤)にパウダーと液がありますが、どのように使いわけるのですか?また、主成分の塩化アルミニウムの作用について教えてください。
A1.塩化アルミニウムは、皮膚の成分と一塊になって結晶を作り、汗の出口を塞ぐのが主な作用と考えられています(長期使用による汗腺組織の萎縮も報告はされています)。そのため、1日の中でも交感神経が落ち着いて少しでも発汗の少ない夜に濃度の高い液剤(20%濃度が基本で、基剤には水とエタノールの2種類を用意しています)を使用していただきます。発汗の減少が実感できれば、使用頻度を数日に1回などと減らしてゆき、最小限度で維持することを目的としています。一方、パウダーにはごく低濃度の塩化アルミニウムが含まれているため、症状の軽い方はこれだけでコントロールされますし、朝使用することによって、タルクが発汗した水分を吸着してくれます。また、わきが(腋臭症)の方の臭いを少しでもカモフラージュする目的でベルガモット(光線過敏を起こす成分を除去したもの)を配合しています。
*「外用制汗剤」と「ワキのボトックス注入療法」について興味のある方は,別に資料を用意していますので,スタッフまでお申し付け下さい。
■汗について■
夏になり、気温が上がると誰しも汗の量が増えますが,これは水分を体外へ出してそれが蒸発する際に気化熱を奪われることによって温度が下がるので,体温調節の役割をしている「温熱性発汗」と言われます。それ以外に緊張すると汗が増加するような「精神性発汗」,辛いものを食べると発汗量が増える「味覚性発汗」など,発汗にも種類があります。相互に干渉しあっていて,環境温度が低いと精神性発汗の程度も軽くなることが知られています。いわゆる発汗に関係しているのはエクリン汗腺で全身に約200~500万個存在していると言われています(臭いに関係するのがアポクリン腺でワキや陰部に分布)。エクリン汗腺は交感神経支配でコリン作動性(アセチルコリンが媒介)なので,交感神経が休まる夜に汗の量も少なくなります。人間は1時間で1㍑,1日で約10㍑発汗する能力を持つと言われます。発汗が多い部位は個人差が大きいようです。年齢とともに発汗量は低下してゆき,一般的には基礎代謝量や温熱性発汗開始温度(♂:30℃,♀:32℃)の差により男性のほうが女性よりも発汗量は多いようです。
■多汗症の種類■
大きくは全身の汗の量が多くなる全身性多汗症と脇や手足など限られた部位の汗が著明に多い限局性多汗症に分けられます。全身性多汗症は内分泌疾患,神経系疾患などに伴って生じることも知られています。例えばバセドウ病,産じゅく期(産後4〜5日,女性ホルモン欠乏),糖尿病(上半身),低血糖などが知られていますので,時にこれらについての検査が必要になります。また,更年期になって顔のほてりとともに汗が増える「ホットフラッシュ」という現象もよく知られています。
■多汗の問題点■
発汗後に水分蒸発すると塩分残存しベタつきや汚れ付着しやすい,皮脂とまじり一層テカリ生じて不快感や化粧崩れ生じる,衣服の汗じみなど以外にも,あせも(汗疹),細菌が繁殖して汗臭増加(腋臭症,足臭),イボや水虫になりやすいなど皮膚疾患も多発しやすくなります。
■発汗を抑えるスキンケア■
① 汗を洗い流す:石鹸,シャンプー,シャワー,入浴。ミョウバン浴も有効です。
② 市販制汗剤:主成分はクロルヒドロキシアルミニウム(ACH,日本での主流),アルミニウム・ジルコニウム化合物(ACHよりも20〜30%高い制汗率で,米国では主流)などです。使用感からはパウダースプレー型が好まれていますが,効果が不十分であれば効果に優れるロールオン型やスティック型を試してみましょう。
③化粧崩れを抑える:脂取り紙,耐水性・耐皮脂性化粧品
④汗の吸着:シッカロール,ベビーパウダー,亜鉛華,汗とりパッド
⑤臭いのマスキング:オーデコロン
■多汗症のメディカル・ケア■
1)保存的治療:一定の効果はあるものの,効果持続期間は一時的です。体への侵襲は少ない方法です。
① 外用剤
a.塩化アルミニウム:金属塩が汗孔を閉塞したり,汗腺組織の萎縮を生じさせます。外用の主流ですが,刺激症状,衣服への着色などが生じることあります。部位や症状に合わせて水基剤とエタノール基剤や濃度の変更をします。
b. 抗コリン薬:刺激はありませんが,広範囲に使用すると時に口渇を生じることがあります。
② 内服薬
a. 抗コリン薬:プロバンサイン。前立腺肥大や緑内障の方では使用できません。
b. 抗不安薬:グランダキシン,セディールなど。
c. 漢方薬:防已黄耆湯,四逆散,茵ちん蒿湯,桂枝加竜骨牡蠣湯,補中益気湯など。
③ イオントフォレーシス:医院・自宅などで頻回に施行。専用の機械の購入が必要になります。
2)ボトックス(ボツリヌス菌毒素製剤)注入
ボトックスを直接皮膚に注射し,神経終末でのアセチルコリン放出を抑制することによって効果を発揮します。3-6ヶ月の間,効果が持続します。脇の下には著効しますので,重症例では第一選択になることもあります。手のひらでは一過性の筋力低下が生じることがあります。保存的治療と外科的治療の中間的な位置付けになります。
3)外科的治療
① 汗腺組織の除去:「わきが」の手術に準じる。ロータリーシェービング・翻転法など。
直後に比べると,その後に効果の減弱が生じますが,ある程度は永久的な効果を発揮します。血腫予防のために術後圧迫が必要になります。時に手術痕が問題になることもあります。
② 胸腔鏡下交感神経遮断:手のひらにおいては著効します。脇の下に対しては有効性が低いようです。代償性発汗(手のひらの発汗は低下するも,背中などの他部位の発汗が増す)が高率に生じるのが問題となります。
■治療の選択(どれから試すか)■
多汗症の程度には個人差があります。一般的には体への侵襲が少ない方法から順次試してゆくのがよいでしょう。外科的療法の方が効果の持続性などの点でメリットはあるものの,生じてしまった副作用も持続することになるからです。軽症の方では市販の制汗剤が一番お手軽ですし,刺激症状などを含めた副作用も少ないでしょう。それで効果が不十分であれば,次にクリニック処方の外用制汗剤(部位や症状によって種類が異なります)をお試し下さい。全身性であったり,精神性発汗の要素が強い方では内服を試用してみてもよいでしょう。ワキで効果が不十分であったり,刺激のために使用できない,頻回に使用しなければならないので不便である,というようでしたら,ボトックス(ボツリヌス菌毒素)注入療法をお勧めします。手足では外用制汗剤の効果が不十分なことが少なくないので,濃度を変更したり,組み合わせでの使用を試みてもよいでしょう。イオントフォレーシスも有効な場合があります。これらいずれにおいても効果に満足が得られなかった際には,そのリスクをも考慮した上で外科的治療をお考え下さい。ワキについては,外科的治療を行っても発汗減少にとどまるため,中には夏にはボトックス注入療法や外用制汗剤を組み合わせて対処している方もおられます。
皆さん,それぞれが自分にあった方法で適切な汗の処理を行い,快適な生活をお送りください。不明な点がございましたら,お気軽にご相談下さい。
Q1.汗止めの塗り薬(制汗剤)にパウダーと液がありますが、どのように使いわけるのですか?また、主成分の塩化アルミニウムの作用について教えてください。
A1.塩化アルミニウムは、皮膚の成分と一塊になって結晶を作り、汗の出口を塞ぐのが主な作用と考えられています(長期使用による汗腺組織の萎縮も報告はされています)。そのため、1日の中でも交感神経が落ち着いて少しでも発汗の少ない夜に濃度の高い液剤(20%濃度が基本で、基剤には水とエタノールの2種類を用意しています)を使用していただきます。発汗の減少が実感できれば、使用頻度を数日に1回などと減らしてゆき、最小限度で維持することを目的としています。一方、パウダーにはごく低濃度の塩化アルミニウムが含まれているため、症状の軽い方はこれだけでコントロールされますし、朝使用することによって、タルクが発汗した水分を吸着してくれます。また、わきが(腋臭症)の方の臭いを少しでもカモフラージュする目的でベルガモット(光線過敏を起こす成分を除去したもの)を配合しています。
投稿者 mildix : 12:30
小児の夏の皮膚感染症
2005,04,13, Wednesday
皮膚病AtoZ 「小児の夏の皮膚感染症」
四季があることが日本の良いところでもあるのですが、冬にインフルエンザが流行するように、毎年夏になると夏特有の感染症が皮膚にも起こりやすくなります。今回は3種類の病気を取り上げてご紹介します。
■手足口病
手足口病は名前の通り手・足・口などに水疱性発疹が見られる病気で、コクサッキーA16やエンテロ71などのウイルス感染が原因であることがわかっています。この他にもコクサッキーA10・A4・A5・A6などによってもおきますので、異なったウイルス感染を受けたために繰り返し手足口病が現れることもあります。7月を中心として夏に多く、好発年齢は1~4歳、潜伏期間は3~5日です。数年後とに流行が繰り返されています。伝染の様式は、気道分泌物・便の直接・間接接触と飛沫感染で、ウイルスの排泄は、咽頭から1~2週間、便から3~5週間と非常に長く続くため、隔離は不要とされています。
ウイルスの種類により発疹のでかたに差があり、コクサッキーAでは、手と足に見られることが多いのに対し、エンテロ71では、手足のほか大腿や臀部にも見られることが多いと言われていますが、手と足だけ、手と口だけなどと、全ての症状がそろわないことも珍しくありません。発疹は通常3~7日で痕を残さずに消退します。発熱は見られないか、あっても38℃前後で、高熱が続くことはほとんどありません。のどが痛いためによだれが多くでたり、食べ物を受け付けなかったりすることがありますので、脱水にならないように刺激の少ない口当たりの良い水分を中心に与えるように心がけてください。ほとんどは軽症で自然に良くなりますが、ごくまれに髄膜炎を合併することがありますので、注意が必要です。園や学校は、熱や口内炎がある間はお休みするのが無難だと思います。症状が安定している場合は登校可能です。なお、便から長期間にわたってウイルスが排出されますが、きちんと管理されたプールでは塩素によりウイルスが死滅しますので、プールによる感染の心配はまずありません。
■とびひ(伝染性膿痂疹)
「とびひ」は、あせもや虫刺され、擦り傷などに細菌(多くは黄色ぶどう球菌か溶血性連鎖球菌)が感染し、水ぶくれや痂皮(かさぶた)が出来たものです。病変部はむずがゆいためにかきむしり、手に細菌が付着します。その手で別のところをかくと、そこに爪によって傷ができて新しい病変ができ、次々に化膿した病変が火の粉が飛ぶように広がってゆくことから、この病名がついています。
伝染力が強く自分自身で病変部を増やしてしまうだけでなく、兄弟やお友達にも細菌のついた手を介して感染が広がってゆきます。この病気も肌が露出して、虫刺されなどの機会の多い夏に多発します。「とびひ」はあせも、湿疹、虫刺され、擦り傷などがあるときに汚れた手でひっかくことによって始まりますので、元々の病変をきちんと早めに治療することと、皮膚や手を清潔にし、爪も短くしておくことが治療上も予防的観点からも大切なことです。
治療は抗生物質の内服と抗生物質含有ステロイドが入った塗り薬が基本です。場合によってはかゆみを抑える飲み薬や浸出液をおさえる亜鉛華軟膏が組み合わされることもあります。消毒液は、浸出液に触れると殺菌作用がなくなること、皮膚の細胞にも毒性に働くこと、さらに、接触性皮膚炎(かぶれ)の原因になる可能性などから不要です。他の人への感染防止からも、ひっかいて体の他の部位への拡大を防ぐ意味からも患部が乾燥するまではガーゼ保護する方がよいでしょう。皮膚を清潔に保ち、菌が増殖しにくい環境を整えるとともに、びらん・痂皮に存在する細菌量を減らすため、患部はこすらない程度に泡立てた石鹸でやさしく洗い流すようにしましょう。浴槽につかることも問題ありませんが、洗い流した痂皮や浸出液の再付着を防ぐため、シャワー浴が適しています。感染を防ぐ意味から兄弟姉妹での一緒の入浴は避け、家庭での入浴は最後が望ましいでしょう。
幼稚園や学校を休む必要はありませんが、プールは「とびひ」が乾いて感染の心配がなくなるまではお休みさせた方がよいでしょう。
■水いぼ(伝染性軟属腫)
水いぼもウイルスが皮膚の細胞の中で増殖して発症します。丸くて小さな光ったイボです。大きいものでは中心にくぼみが見えます。つぶすと白いかたまりが出てきて、この中にウイルスが含まれているので、これが皮膚につくとうつります。主に肌と肌の接触によってうつりますが、その他タオルなどを介して感染するとされています。園や学校で遊んでいて、水いぼに接触すればうつってしまいます。兄弟間や園などでごく小さな流行がみられたこともあって、伝染性軟属腫という名前がつけられています。弱いウイルスなので、免疫反応も起きにくく、自然に治るのには時間がかかります。放置しても個々の皮疹は約2ヶ月で消失しますが、自分でひっかいて体のあちこちに広がる場合があります(水いぼができると痒みが生じます:モルスクム反応)。1年経過では95%近くが自然治癒しますが、自家接種があるために完全消失には6ヶ月から3年(平均で6~7ヶ月)の時間を要します。さらにアトピー性皮膚炎や乾燥肌にて皮膚のバリア機能が弱いと水いぼのウイルスが感染しやすいため、水いぼも広がりますし、アトピー性皮膚炎も悪くなります。水いぼを積極的に治療(ピンセットでの水いぼとり)するのか、全く治療しないのか、痛みの少ない治療(ヨクイニン、硝酸銀、スピール膏、グルタールアルデヒドなど)で様子をみるのかは意見が分かれます。お子さん自身では決められないので、保護者の方に治療法を決定していただくことになります。最低限、外用薬や内服薬によってアトピー性皮膚炎や乾燥肌などの基礎疾患のコントロールをして、自家接種や痒みを抑える必要はあります。プールについては、学校や園などの施設によって異なりますが、旧文部省の通達では、ビート板の共用さえしなければ、学校ではプールに入ってよいことになっています。但し、プールでの体の接触は少なくないので人から人へうつってはしまいます。
水いぼ(伝染性軟属腫)の説明
(平成16年7月1日)
参照:皮膚疾患100の質問(メディカルレビュー社),新潟県小児科医会HP,土川内科小児科ニュース など
■手足口病
手足口病は名前の通り手・足・口などに水疱性発疹が見られる病気で、コクサッキーA16やエンテロ71などのウイルス感染が原因であることがわかっています。この他にもコクサッキーA10・A4・A5・A6などによってもおきますので、異なったウイルス感染を受けたために繰り返し手足口病が現れることもあります。7月を中心として夏に多く、好発年齢は1~4歳、潜伏期間は3~5日です。数年後とに流行が繰り返されています。伝染の様式は、気道分泌物・便の直接・間接接触と飛沫感染で、ウイルスの排泄は、咽頭から1~2週間、便から3~5週間と非常に長く続くため、隔離は不要とされています。
ウイルスの種類により発疹のでかたに差があり、コクサッキーAでは、手と足に見られることが多いのに対し、エンテロ71では、手足のほか大腿や臀部にも見られることが多いと言われていますが、手と足だけ、手と口だけなどと、全ての症状がそろわないことも珍しくありません。発疹は通常3~7日で痕を残さずに消退します。発熱は見られないか、あっても38℃前後で、高熱が続くことはほとんどありません。のどが痛いためによだれが多くでたり、食べ物を受け付けなかったりすることがありますので、脱水にならないように刺激の少ない口当たりの良い水分を中心に与えるように心がけてください。ほとんどは軽症で自然に良くなりますが、ごくまれに髄膜炎を合併することがありますので、注意が必要です。園や学校は、熱や口内炎がある間はお休みするのが無難だと思います。症状が安定している場合は登校可能です。なお、便から長期間にわたってウイルスが排出されますが、きちんと管理されたプールでは塩素によりウイルスが死滅しますので、プールによる感染の心配はまずありません。
■とびひ(伝染性膿痂疹)
「とびひ」は、あせもや虫刺され、擦り傷などに細菌(多くは黄色ぶどう球菌か溶血性連鎖球菌)が感染し、水ぶくれや痂皮(かさぶた)が出来たものです。病変部はむずがゆいためにかきむしり、手に細菌が付着します。その手で別のところをかくと、そこに爪によって傷ができて新しい病変ができ、次々に化膿した病変が火の粉が飛ぶように広がってゆくことから、この病名がついています。
伝染力が強く自分自身で病変部を増やしてしまうだけでなく、兄弟やお友達にも細菌のついた手を介して感染が広がってゆきます。この病気も肌が露出して、虫刺されなどの機会の多い夏に多発します。「とびひ」はあせも、湿疹、虫刺され、擦り傷などがあるときに汚れた手でひっかくことによって始まりますので、元々の病変をきちんと早めに治療することと、皮膚や手を清潔にし、爪も短くしておくことが治療上も予防的観点からも大切なことです。
治療は抗生物質の内服と抗生物質含有ステロイドが入った塗り薬が基本です。場合によってはかゆみを抑える飲み薬や浸出液をおさえる亜鉛華軟膏が組み合わされることもあります。消毒液は、浸出液に触れると殺菌作用がなくなること、皮膚の細胞にも毒性に働くこと、さらに、接触性皮膚炎(かぶれ)の原因になる可能性などから不要です。他の人への感染防止からも、ひっかいて体の他の部位への拡大を防ぐ意味からも患部が乾燥するまではガーゼ保護する方がよいでしょう。皮膚を清潔に保ち、菌が増殖しにくい環境を整えるとともに、びらん・痂皮に存在する細菌量を減らすため、患部はこすらない程度に泡立てた石鹸でやさしく洗い流すようにしましょう。浴槽につかることも問題ありませんが、洗い流した痂皮や浸出液の再付着を防ぐため、シャワー浴が適しています。感染を防ぐ意味から兄弟姉妹での一緒の入浴は避け、家庭での入浴は最後が望ましいでしょう。
幼稚園や学校を休む必要はありませんが、プールは「とびひ」が乾いて感染の心配がなくなるまではお休みさせた方がよいでしょう。
■水いぼ(伝染性軟属腫)
水いぼもウイルスが皮膚の細胞の中で増殖して発症します。丸くて小さな光ったイボです。大きいものでは中心にくぼみが見えます。つぶすと白いかたまりが出てきて、この中にウイルスが含まれているので、これが皮膚につくとうつります。主に肌と肌の接触によってうつりますが、その他タオルなどを介して感染するとされています。園や学校で遊んでいて、水いぼに接触すればうつってしまいます。兄弟間や園などでごく小さな流行がみられたこともあって、伝染性軟属腫という名前がつけられています。弱いウイルスなので、免疫反応も起きにくく、自然に治るのには時間がかかります。放置しても個々の皮疹は約2ヶ月で消失しますが、自分でひっかいて体のあちこちに広がる場合があります(水いぼができると痒みが生じます:モルスクム反応)。1年経過では95%近くが自然治癒しますが、自家接種があるために完全消失には6ヶ月から3年(平均で6~7ヶ月)の時間を要します。さらにアトピー性皮膚炎や乾燥肌にて皮膚のバリア機能が弱いと水いぼのウイルスが感染しやすいため、水いぼも広がりますし、アトピー性皮膚炎も悪くなります。水いぼを積極的に治療(ピンセットでの水いぼとり)するのか、全く治療しないのか、痛みの少ない治療(ヨクイニン、硝酸銀、スピール膏、グルタールアルデヒドなど)で様子をみるのかは意見が分かれます。お子さん自身では決められないので、保護者の方に治療法を決定していただくことになります。最低限、外用薬や内服薬によってアトピー性皮膚炎や乾燥肌などの基礎疾患のコントロールをして、自家接種や痒みを抑える必要はあります。プールについては、学校や園などの施設によって異なりますが、旧文部省の通達では、ビート板の共用さえしなければ、学校ではプールに入ってよいことになっています。但し、プールでの体の接触は少なくないので人から人へうつってはしまいます。
水いぼ(伝染性軟属腫)の説明
(平成16年7月1日)
参照:皮膚疾患100の質問(メディカルレビュー社),新潟県小児科医会HP,土川内科小児科ニュース など
投稿者 mildix : 12:19