皮膚科AtoZ ミルディス皮フ科 東京都 足立区 皮膚科 美容皮膚科 形成外科 アレルギー科:東京都足立区北千住で皮膚科を診療している院長の皮膚に関するブログです。

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2005年06月13日

疣贅(ウイルスによるイボ)

皮膚病AtoZ 「ウイルス性イボ:疣税(Warts)」
イボのことを疣贅(ゆうぜい)と言いますが、疣にも贅にも「あまりもの」という意味があります。一般的には皮膚から盛り上がった小さな出来物(腫瘍)をイボと称しますが、このイボには色々なものが含まれています。大きくは、ウイルスが関係したものと、老化現象としてみられてウイルスが関係しない老人性イボ(これにも複数の疾患が含まれます)に分けられます。ここではウイルスによるイボのうち、いわゆる「水イボ」(ウイルスの種類が異なります)とは異なるものについて説明します。
イボはヒト乳頭腫ウイルスによる感染症です。手足や顔、外陰部などできる部位によって特徴があり、それぞれに病名がついていますし、ヒト乳頭腫ウイルスにもたくさんの種類があり、同じ部位にできたイボでも症状に違いが出ることもあります。

1)イボの種類:イボはヒト乳頭腫ウイルスによる感染症です。イボの細胞にはウイルスが含まれていて、触っただけではうつりませんが、擦り傷や引っかき傷などの浅い傷に付着するとうつります。そのため軽微な外傷を受けやすい手足に好発したり、引っかき傷に沿ってイボが並んでいたりします。ウイルスに感染してからイボとしてはっきり目に見えるようになるには数ヶ月はかかると言われています。手足や顔、外陰部などできる部位によって特徴があり、それぞれに病名がついていますし、ヒト乳頭腫ウイルスにもたくさんの種類があり、同じ部位にできたイボでも症状に違いが出ることもあります。
A.普通のイボ(尋常性疣贅):HPV2・4,ミルメシアではHPV1
大豆粒くらいの大きさまでの半球状に隆起し、小さいものは表面がつるつるしていますが、大きくなるに従い表面がざらつき硬くなります。全身どこでも見られますが、手の甲、足背、指、膝に好発します。指先では、いわゆる「ささくれ・さかむけ」に一致してできることも少なくなく、爪の下に入り込み爪を破壊することもあります。足の裏に出来た場合にはいつも踏みつけられているために皮膚表面から盛り上がりません。魚の目によく似て歩行時に痛みが出ることがあります。しかし、削ってゆくと点状の出血点がみられるので区別できます。
B.男性のアゴなどにできる糸状・花蕾状のイボ(糸状疣贅)
先のとがった細長い突起がネズミの手のように飛び出したイボで、花蕾状に根元がくびれているのもあります。成人男性の顎ひげの部分や頚部によくみられます。髭剃りには電気カミソリを使い、すべりをよくするプレシェービングローションなどを併用して少しでも細かい傷ができるのを防ぐ必要があります。
C.若い女性に多い顔に多発する小さなイボ(青年性扁平疣贅):HPV3・10・41
若年女性の顔や手の甲に好発し、米粒大の大きさで、皮膚とほとんど同じ色かやや光沢を有し、皮膚面からわずかに盛り上がり、表面は滑らかです。顔に小さなものが多発することが多く、引っかき傷や剃り傷に沿ってイボが線状に並んで認められることもあります。従って顔剃りは控えたほうがよいでしょう。普通、自覚症状はありませんが、強いかゆみが出て、イボがやや赤みを帯びて、水っぽく盛り上がってくることがあります。これは自分の免疫反応による治る前兆で、数週間で皮がむけるように、すべてのイボがいっせいに脱落することがあります。
D.外陰部にできるイボ(尖圭コンジローム):HPV6・11
皮膚と粘膜の移行部などの湿ったところにできるイボは、増大して表面が顆粒状で柔らかく、集まって鶏のとさか状あるいは房状になることがあります。男性では陰茎や亀頭部、女性では膣や陰唇粘膜、男女の肛門周囲にみられます。性行為によって感染することが多く、パートナーにも注意が必要です。

2)ウイルス性のイボと間違えやすい病気
A.魚の目・たこ:イボの場合は表面がややがさがさしていて、削ると赤黒い小さな出血点が見られます。
B.汗管腫:顔面の扁平疣贅と間違われることがありますが、目の周りによくできる米粒大の皮膚と同色の小さな隆起で30歳以降に好発する皮膚真皮の汗管の細胞が腫瘍化(良性腫瘍)したものです。
C.アクロコルドン・スキンタッグ・軟性線維腫:まぶた、首、胸、ワキなどにみられる皮膚が小さくとび出したり、小さな干しぶどうのような外観を呈するイボで、茶色くなっていることもあります。これらは一種の加齢に伴う変化であり、ウイルスによるイボではありません。(治療は切除、電気焼灼、液体窒素などです。お問い合わせください。)

3)自然経過・がんとの関係など
感染後の潜伏期は1ヶ月から12ヶ月と幅があり、平均2~3ヶ月とされています。約半年で25%のヒトが自然治癒しているという報告もあります。プラセボ効果や暗示にて30から35%程度の治癒率が見込めると言われています。このことから、日本各地にあるイボ取り地蔵(塩地蔵など)や民間療法、暗示(特に小児)なども精神的なものによって免疫が高まるので治療の一助になるかも知れません。近年、ヒト乳頭腫ウイルスが発がんに関係しているのではないか?と言われていますが、子宮頚癌や高率に皮膚癌が発生する疣贅状表皮発育異常症で検出されるウイルスは通常のイボで検出されるウイルスとはタイプが異なりますので、イボががんになる心配はありません。

4)治療:いずれの治療においても1回で完治することは少なく、複数回かかりますので根気よく治療を続けてください。
A.内服薬:日本ではヨクイニンが用いられます。有効率は高くはありませんが、副作用も少なく試してみてよいでしょう。
B.外用・その他:侵襲の少ないものから試していってください。足の裏や爪の下のイボは難治性です。
① 角質溶解・剥離剤:尿素、サリチル酸、ビタミンD3などがあり、他の治療法と併用されたりします。
② 液体窒素凍結療法:-200℃近い液体を患部に綿球などを用いて押し当て、壊死を起こさせます。日本での治療の主体となっており、1~2週間で繰り返してゆきます。多少の痛みを伴います。
MCAやTCA塗布:1週間間隔で薬液を患部に塗布。痛みは比較的軽度。
グルタールアルデヒド塗布:連日患部に薬液を外用します。痛みはほとんどありませんが、茶色く着色します。
免疫療法(SADBEなど):強いかぶれを患部に起こさせます。感作成立後1~2週間間隔で繰り返します。
ブレオマイシン局注:抗がん剤を局所に注射しますが、かなりの痛みを伴います。難治性のものに試行します。
切除・電気焼灼・炭酸ガスレーザー:局所麻酔を行ったうえで施行します。難治性のものに試行します。
⑧ その他:ポドフィリン、カンタリジン、5-FU密封、PDT(光線力学療法)、Imiqimod外用などが報告されています。

5)当院での治療の基本:内服可能な方にはヨクイニンを内服して頂き、下記治療を併用いたします。
A.糸状疣贅:液体窒素凍結療法。比較的少ない回数で脱落します。
B.扁平疣贅:弱い電気(中周波)で焼灼してゆきます。基本的に無麻酔ですが、痛みに弱い方には表面麻酔使用。
C.その他:表面を軽く削った後にMCAやTCAを塗布し、その後液体窒素凍結療法を行います。そして角質溶解・剥離剤を外用していただきます。数回は繰り返し、改善傾向がないようでしたらその他の治療へ移ります。

*痛みなどで上記治療が継続困難な場合はお申し出下さい。一緒に他の治療法を考えてみましょう。特に手足のイボや爪の下のイボでは治療が長期に及びますし、痛みも強く感じてしまう部位ですが、頑張って継続して下さい。
余談ですが、東京で有名なイボ取り地蔵は新宿と西新井にあります。お地蔵さんにかかっている塩をもらってきて患部に塗布し、もし治ったら倍の塩をお地蔵さんにかけるというものです。

投稿者 mildix : 01:24

じんましん

皮膚病AtoZ 「蕁麻疹について」
少し難しい内容ですが、蕁麻疹についてもっと詳しく知りたい時に別途お渡しするパンフレットと合わせて参考にして下さい。原因となりうるものは無数にあり、未だ原因を特定できることは少ないのですが、どのような機序で起きてくるかについてはかなりわかって来ています。簡単に説明しますと、以下のようになります。
白血球の一つであるマスト細胞が過敏な状態にあり、色々な刺激によって細胞膜が破れることによって、周囲にヒスタミンなどの化学物質がばらまかれます。これらのヒスタミンが血管の特定部位(レセプター)にくっつくと血管が拡張するので皮膚に赤みが出ます。そして血管を構成している細胞と細胞の隙間が開いてしまうので血管内の体液が周囲に漏れ出ます。このためにその部位が膨れます(膨疹:みみず腫れ)。でも所詮、自分の体液なのですから時間とともに自然に拡散・吸収されて症状はあとかたもなく消えます。
原因の特定が難しいので、治療の基本は症状(赤み、膨隆、痒みなど)を抑え、出ないようにコントロールすることになります。風邪を引いた時に熱が出た時に解熱鎮痛剤を飲んで熱を下げるのと同じで、決して根本的な治療ではありませんが対症療法として非常に重要です。基本は抗ヒスタミン剤を飲んで、マスト細胞から放出されたヒスタミンが血管などにくっつくべき特定部位をあらかじめクスリでふさいでおいて、くっつけないのでその後の症状も出ないようにするというものです。最近のクスリは以前のクスリに比べると、眠気などの副作用が少ない、持続時間が長い(1日1回の内服でよい)、効果発現が早い、抗ヒスタミン作用だけでなくマスト細胞の膜を安定化させたり、サイトカインを抑えるなどの付加価値が加わったもので、日本では抗アレルギー剤と称されます。

1)原因となる物質ないし状態:症例報告はあるものの胃粘膜ヘリコバクター・ピロリ菌やC型肝炎ウイルスと慢性蕁麻疹が有意に関連しているとの科学的根拠は未だありません。悪性腫瘍との関連も否定的であり,一般検査を行っても潜伏する基礎疾患が発見される確率は低く、慢性感染病巣(虫歯,扁桃炎など)のチェックと病歴と臨床所見が重要です。
A. 内因性のヒスタミン遊離物質
① 抗IgE自己抗体,抗FcRI自己抗体 ②免疫複合体,寒冷凝集素 ③補体(C3a,C5a) ④キニン,ATP,adenosine,サイトカイン,神経ペプチド,内因性モルヒネ,アセチルコリン,pH,浸透圧,その他
B. 外来性のマスト細胞活性化物質
① 抗原,疑似抗原(光アレルゲンなど) ②一部の毒素,薬剤(造影剤,麻酔薬,麻薬,消炎鎮痛剤) ③食品,食品添加物(サリチル酸化合物,安息香酸誘導体など)
C. 全身的な因子(マスト細胞への直接的な作用機序は不明)
① 疲労,ストレス,日内変動 ②物理的刺激(機械的刺激,寒冷,温熱,光線,圧迫,振動など) ③薬剤,運動
④感染症(細菌:胃粘膜ヘリコバクター・ピロリ,他に病巣感染として扁桃炎,虫歯,上顎洞炎,ウイルス:HCVなど,寄生虫(アニサキス)) ⑤悪性腫瘍,高免疫グロブリン血症など

2)治療:慢性蕁麻疹の患者さんでは70〜95%で原因が不明ですが,可能なかぎり原因・悪化因子をみつけて除去・回避します。アスピリンを初めとする消炎鎮痛剤,疲労,精神的ストレスなどが悪化因子の一つであることが多いようです。
A. 抗ヒスタミン薬(H1阻害薬)・抗アレルギー薬
B. 抗ヒスタミン薬(H1阻害薬)とH2阻害薬(胃薬)の併用:抗ヒスタミン薬の血中濃度が上昇することによる効果
C. ステロイド内服:プレドニン15~20mg/日を目処に漸減。皮疹の持続時間の短い蕁麻疹(機械性蕁麻疹,寒冷蕁麻疹など)にはステロイドの有効性は低い。適応となるのは蕁麻疹様血管炎,遅延型圧迫蕁麻疹,症状の激しい急性期蕁麻疹,慢性蕁麻疹の急性増悪などで抗ヒスタミン剤が無効ないし効果不十分な症例です。
D. その他:強力ミノファーゲンC,非特異的免疫療法(免疫変調療法),漢方薬

3)経過・予後:慢性蕁麻疹では約50%が治療にて1年後には軽快。163例の患者での1年以上経過観察によると,53%は軽快,36%は軽減(回数の減少),11%不変との報告があります。

4)原因となりうる主な食品添加物
・タルトラジン(食用黄色4号):漬物,中華めん,カレー,あめ,米菓,ゼリー,ビスケット,ウエハース,羊羹,レモンシロップ・ニューコクシン(食用赤色102号):清涼飲料水,水産食肉加工物,漬物,佃煮,ケチャップ,ジャム,あめ,紅しょうが,梅干,たらこ,さくらんぼ・サンセットイエロー(食用黄色5号):清涼飲料水,コーラ,漬物,佃煮,あめ,米菓
・安息香酸ナトリウム(防腐剤):しょうゆ,清涼飲料水,酢,果実ソース・4-ヒドロキシ安息香酸(防腐剤):ピクルス,ソース,ジュース,缶詰・アスピリン(防腐剤):合成清酒,果実酒,酢,チューインガム

5)サリチル酸誘導体を含む食品
・穀物類:ジャガイモ・脂 肪:アーモンド・野菜類:キュウリ,トマト,トウガラシ・果物類:リンゴ,アンズ,葡萄,桃,メロン,レモン,オレンジ,サクランボ,グレープフルーツ,プラム,みかん,イチゴ,ラズベリー,ブラックベリーなど・菓子類:チョコレート,キャラメル,ドロップ,キャンディー,ガム,ハッカ,ナッツ,ピーナッツ,クッキー,ケーキ,パイ,プリン,ゼリー,アイスクリーム・飲み物:ビール,酒,ワイン

6)蕁麻疹治療で大切なこと(必ずお読み下さい)
① 原因はアレルギーだけではありません。増悪因子(振動や圧迫などの機械的刺激、温熱や寒冷などの温度変化、日光、刺激物、解熱剤、痛み止め など)を出来るだけ避けることも大切です。
② 先ずは自分に最適なクスリを探すことからはじめます。一番あっているクスリとは、決められたように内服していると赤み、盛り上がり、痒みが全く生じず、副作用としての眠気もないクスリです。1週間くらいずつ試してゆきます。最低でも2から3日は内服してみないとそのクスリの効果は判定できません。
③ 病気の勢いが強い時にはステロイドや複数のクスリ、注射を組み合わせてコントロールします。
④ いつ蕁麻疹がおさまるかは誰にもわかりませんので、クスリは指示通りお飲み下さい。全く症状が出ないようになれば、内服する間隔をあけてゆき、出ないのを確認しながら中止します。間隔をあけて症状が出現する時には、その前段階の内服間隔に戻って出ないように最低限のクスリでコントロールするように心がけてください。

最後に
症状にもよりますが数ヶ月から1年という期間が必要になることもありますので,根気よく治療を続けてください。また治療途中で急に症状が悪くなる時(何かのきっかけで病気の勢いが強くなる)や息苦しいなどの症状(のどの蕁麻疹)が生じる際には早めに病院を受診してください。

投稿者 mildix : 01:14

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