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ホクロの種類とその治療法
2005,08,13, Saturday
皮膚病AtoZ 「ホクロの種類とその治療法」
ホクロとは:黒子、色素細胞母斑(母斑細胞性母斑)、青色母斑などホ クロとは「皮膚の表面にある、黒い小さな点」(新明解国語辞典)と説明されていますが、一般的には上記の小さなタイプを指していることが多いようです。黒 子とは、直径数mmまでの隆起しない褐~黒褐色の色素斑で、表皮内でメラノサイトとメラニン色素が軽度増加した単純黒子と老人性色素斑のごく初期の小さな ものを指します。
色素性母斑にも様々なタイプがありますが、メラノサイト(色素を作る細胞)とシュワン(神経)細胞の中間的な性格を持った特殊な 細胞を母斑細胞と称し、これらの細胞が一箇所に寄り集まった集団を母斑細胞性母斑と呼んでいます。胎生期に神経櫛からメラノサイトやシュワン細胞が発生し てくる過程で、正規のコースから外れて別の方向へ向かって発育を始めた「はずれ細胞」の集まりで、皮膚の過誤腫(特定の器官を形成することが出来なかった 組織の限局性の形成異常)とも考えられます。
これらの細胞の中にメラニン色素が含まれているので、その色素量に応じて外表からみると黒くあるいは 褐色調に見えるのです。また母斑細胞が存在する部位によって境界母斑、複合母斑、真皮内母斑に分類されます。生下時あるいは小児期から成人期に始まって徐 々に拡大し、成人に達すると隆起し始め、老年に達すると大きくなり、色調はかえって淡くなり淡い褐色から皮膚色へと変化してゆきます。組織学的にもメラニ ン色素の量は下に行く(深くなる)につれて少なくなります。青色母斑は真皮内に青色母斑細胞が多数集まり、その細胞内にメラニン色素が大量に含まれている ために皮膚表面からみると青く透けて見えているのです。皮膚表面から盛り上がって、深い青色を呈しているタイプではメラニン色素に反応させるタイプのレー ザー単独での治療は困難です。
大きくなるホクロはガンですか?
このような心配をされて来院される方の多くは通常の ホクロ(色素細胞母斑)か脂漏性角化症です。時に皮膚ガンである基底細胞癌や悪性黒色腫(メラノーマ)が見られます。通常のホクロ(色素細胞母斑)は急に 大きさを増すことはありませんし、色が均一で黒~褐色、形も円形に近いことが多いです。年齢が上がるに従い、色は淡くなり周りの皮膚の色に近づいてきます し、盛り上がってきます。但し表面はなだらかです。脂漏性角化症は中年以降に生じやすいイボで顔や頭などに多発することがありますが、表面がざらざらし、 周りの皮膚との境目がはっきりしています。これら2疾患は良性ですので、整容的に気にならなければ切除する必要はありません。基底細胞癌は50歳以降の方 の顔や頭などに灰~黒色のホクロ様の出来物で、表面に少し光沢(つるっとしていて透明感がある)があり、よく小さな血管が浮き出ているのを同時に認めるこ とがあります。徐々に大きくなり、表面がくずれて出血したりするようになることもあります。転移はしませんが、どんどん皮膚の下へ向かって深く拡がってゆ きますので、早めに全摘出する必要があります。悪性黒色腫は放っておくと(基底層を超えて下に侵入すると)転移しやすい悪性度の高い腫瘍です。目安とし て、形が非対称で不規則(類円形でない)、色ムラ(濃淡差)が目立つ、大きさが7mm超、などといった特徴があります。適切な施設での評価と切除が必要で す。
盛り上がっていない小さなホクロの治療法
レーザー治療:多くは黒子(こくし)(lentigo)か境界母斑 で、病変が盛り上がっているホクロよりも浅いところに限局していますので、レーザーで比較的簡単に治療できます。病変に数発照射するだけです。軽いやけど をおこさせて病変を脱落させます。黒い毛が接してあると毛にも反応してしまいますので、同部の剃毛や抜毛を行います。黒子の色が濃いほど痛みが強くなりま すが、瞬間的な痛みであるため表面麻酔も不要である方がほとんどです。深いタイプ(境界母斑)や色素が多くて色が大変濃いタイプでは1ヶ月あけての複数回 の処置が必要になる場合があります。施術後はステロイド含有軟膏を塗って肌色テープで覆うだけです。
盛り上がったホクロの治療法
① 切除・縫縮法、くりぬき法: 局所麻酔後にメスやトレパンなどを用いて脂肪が露出する深さで切り取ります。縫縮する方法では一般的にホクロを含めて紡錐形にデザインして縫い合わせ、ホ クロの直径より約2.5倍の直線の傷になるようにします。抜糸が必要です(顔面:5~7日後、その他:7~10日後)。くりぬき法ではホクロより一回り大 きくホクロの形に合わせて円形でくりぬき、止血して軟膏で傷を保護して終了です。大きめのものでは傷を少なく、治癒を早めるために一部縫合を併用する場合 があります。軽度の陥凹や施術部が傷として光沢を持った皮膚となる場合がありますので、大きさ的に6mmくらいまでのホクロを対象にします。いずれにせ よ、治療が一度で終了する可能性が高いのが利点となる方法です。
② サージトロン、炭酸ガスレーザー:電気(高周波メス)やレー ザーを用いるのは皮膚表面から浅く削り取る治療を繰り返すことによって、最終的に少しでも傷跡を少なく治療しようというものです。1回1回の皮膚表面から の傷は浅いので、くりぬき法などに比べると早くきれいに治ります。しかし、皮膚の深い部位までホクロの細胞が入り込んでいるタイプでは1回では取りきれな いので、複数回の施術が必要になります。繰り返す際にも傷が落ち着くまでの数ヶ月(赤みが消えるのを目安:3~6ヶ月)待って、次の施術を行います。
傷痕がすこしでも少なくなるのが利点ですが、トータルの治療回数として複数回要するというのが欠点となります。
Q and A 3)ホクロ
2005年11月15日