皮膚科AtoZ ミルディス皮膚科:東京都足立区北千住で皮膚科を診療している院長の皮膚に関するブログです。

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各種治療法について

(ニキビ痕:各種治療法について)
症状
いわゆるニキビ痕と称するものには、主に2種類あります。一つは形の異常として皮膚表面が凸凹した状態を指し、ニキビ瘢痕(acne scar)と呼ばれます。もう一つは色の異常として赤みが長く続いてしまい、その後に茶色くシミを残す炎症後色素沈着(post inflammatory pigmentation)です。新しいニキビができると引き続き新たなニキビ痕ができる可能性がありますので、先ずは新たなニキビの発生をできるだけ少なくするようにコントロールすることが重要です。また、両者の治療法は一部異なりますので分けて考える必要があります。参考:ニキビ・ざ瘡・Acne

炎症後色素沈着の治療
シミ治療に準じます。何らかの炎症によって、皮膚のメラニン産生細胞での生成が高まり、表皮細胞に過剰にメラニン色素が保持されている状態です。治療に伴う刺激症状が少ないものから列挙すると、ビタミンC化粧水、グリコール酸とビタミンCが一緒になったマイルドピーリングローション、グリコール酸ケミカルピーリング、ハイドロキノンやレチノイン酸などの美白剤となります。これらはいずれも現存するニキビの治療と併行して行うことができますし、ニキビ治療にも有用です。もちろん日々の遮光には留意下さい。シミ:各種治療法についての肝斑・炎症後色素沈着の項を参照。

ニキビ瘢痕の治療
ニキビ瘢痕は、毛穴が強いニキビの炎症に伴って破壊され、真皮内で傷跡として中から引きつれている状態です。皮膚の触感などは上述したビタミンC化粧水、グリコール酸ケミカルピーリングやレチノイン酸によっても改善(角質層が薄くなり、真皮内コラーゲン増殖などによる)しますが、より一層の改善を望む場合には、道路舗装の際と同じように地ならしが必要です。すなわち真皮内にある程度の影響が及ぶように表面を削る(炭酸ガスレーザー)、あるいは真皮に到達するケミカルピーリング(TCA)を用いる必要があります。瘢痕では窪みの角に斜めから光が入るとハイライトがあたる壁面と影になる底がくっきりと分かれるためによけいに目立ってしまいます。角がとれてなだらかになるだけでも改善しますので、陥凹している部位のみならず周囲もあわせて治療することによって地ならしとなります。これらを数ヶ月ごとに繰り返すことによってさらなる効果を目指します。ただし、こうした治療のあとには約1週間キズを保護する必要があります。また、擦り傷や軽度のヤケドを起こさせるのですから、その後しばらくの間赤みが持続しますし、その後に炎症後色素沈着を大なり小なり来たすことになってしまいます。そのため、日焼け止めとハイドロキノンやレチノイン酸などの美白剤を併用することが必須となります。外用治療とTCAピーリングの中間的な位置づけになるのが、クールグライド(ロングパルスYAG)レーザーです。皮膚表面を傷つけない(non-ablative)レーザーで、毛細血管拡張症にも有用なので赤みの残っている瘢痕が適応です。約3週間間隔で4~5回は必要です。同様にキュリア(ダイオードーレーザー)も有効です。比較的大きな陥凹(へこみ)ではヒアルロン酸の注入にて段差を少なくする方法も適応となります。時間とともに吸収されるので、半年から1年での繰り返しが必要となります。また、キリで刺したような小さくて深い瘢痕(アイスピック瘢痕と呼ばれます)では1~1.5mmの専用の丸いメスでくりぬく治療も行われます。

curia.jpg (ダイオードレーザーキュリア画像)

各種治療法
①ビタミンC:下記治療が刺激症状にて使用できないときや化粧品として使用していただいています。
ケミカルピーリング:グリコール酸などの弱い酸を用いて、皮膚表面の角質を整える治療で、ニキビ治療に特に有用です。角質を調整するとその下の皮膚も整えられることがわかってきています。グリコール酸には強くはないですが、メラニン色素の産生を抑える作用や真皮を厚くする作用がありますので、総合的な美肌(抗光老化)つくりに寄与します。肌のターンオーバーを目安に、10日から2週間の間隔で繰り返してゆきます。当院では手技を習熟後、ご自宅で継続していただきたく、独自のピーリングセットをご用意しています。洗顔後、ピーリング剤を塗布してマッサージするようになじませてゆきます。ピリピリした痛みを伴うこともありますが、ごく軽度です。冷却した後にビタミンCを外用(マスク使用、イオン導入など)するとより効果的です。施術後も通常通りにお化粧できます。セルフピーリングが面倒と思われる方には、安定型ビタミンCを配合した化粧水代わりにご使用していただけるマイルドピーリングローションをご用意していますので、洗顔後にご愛用の化粧水の前に日々ご使用下さい。
③ ハイドロキノン:チロシナーゼという酵素をブロックして、メラニン色素を作る細胞の中で色素が作られるのを抑えます。また還元作用によって出来てしまっているメラニン色素を薄くする作用もあります。当院では5%の濃度で使用していただいています。
④ レチノイン酸:ビタミンA酸(trans-retinoic acid:トレチノイン)。表皮細胞のターンオーバー(生まれ変わり)を早めて色素を早く外へ排出することによってシミを薄くするとともに、真皮でのコラーゲンを増生しますので、皮膚の光老化などの治療に汎用されています。使用に伴い、角質層が薄く維持されるようになるため、ハイドロキノンなどの薬剤の浸透性も高まるため、併用するとより効果的です。時に刺激症状のために使用が制限されることがありますが、使用量や回数を加減することで継続可能です。詳しくはレチノイン酸外用剤使用上の注意を参照してください。
⑤ クールグライド:外用治療とTCAピーリングの中間的な位置づけになるのが、クールグライド(ロングパルスYAG)レーザーです。皮膚表面を傷つけない(non-ablative)レーザーで、線維芽細胞に熱刺激を与えてコラーゲン産生を促します。毛細血管拡張症にも有用です。治療後は通常通りお化粧をすることができます。約3~4週間間隔で繰り返してゆきます。
⑥ TCAピーリング:35%(~60%)トリクロロ酢酸を患部に綿棒あるいはパフにて塗布するとfrostingと呼ばれる白色変化が見られ、その下に赤みが生じます。ムラがあれば、重ねぬリを行います。ある程度の蛋白凝固が進むとそれ以上には深く浸透しにくい傾向にあります。TCAはイボ治療に使用するモノクロロ酢酸などに比べると腐蝕作用・刺激感ともに少ないが、グリコール酸よりは刺激感が強く、塗布1~2分後から疼痛が生じてきますので、送風して軽減させます。約5分後に、水を含ませたガーゼやタオルなどで患部を約15分間冷却します。その後ステロイド含有軟膏を塗布します。約1週間でかさぶたが脱落しますので、それまでの間は治療部位を軟膏やテープで保護する必要があります。一般的に若年者ほど炎症後色素沈着をきたしやすいようですので、美白剤によるアフターケアを要します。グリコール酸ピーリングよりも明らかに改善効果は高くなります。
⑦ 手術・ヒアルロン酸:詳細は医師までご相談下さい。

2005年08月13日

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