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小児の夏の皮膚感染症
2005,04,13, Wednesday
皮膚病AtoZ 「小児の夏の皮膚感染症」
四季があることが日本の良いところでもあるのですが、冬にインフルエンザが流行するように、毎年夏になると夏特有の感染症が皮膚にも起こりやすくなります。今回は3種類の病気を取り上げてご紹介します。
■手足口病
手足口病は名前の通り手・足・口などに水疱性発疹が見られる病気で、コクサッキーA16やエンテロ71などのウイルス感染が原因であることがわかっています。この他にもコクサッキーA10・A4・A5・A6などによってもおきますので、異なったウイルス感染を受けたために繰り返し手足口病が現れることもあります。7月を中心として夏に多く、好発年齢は1~4歳、潜伏期間は3~5日です。数年後とに流行が繰り返されています。伝染の様式は、気道分泌物・便の直接・間接接触と飛沫感染で、ウイルスの排泄は、咽頭から1~2週間、便から3~5週間と非常に長く続くため、隔離は不要とされています。
ウイルスの種類により発疹のでかたに差があり、コクサッキーAでは、手と足に見られることが多いのに対し、エンテロ71では、手足のほか大腿や臀部にも見られることが多いと言われていますが、手と足だけ、手と口だけなどと、全ての症状がそろわないことも珍しくありません。発疹は通常3~7日で痕を残さずに消退します。発熱は見られないか、あっても38℃前後で、高熱が続くことはほとんどありません。のどが痛いためによだれが多くでたり、食べ物を受け付けなかったりすることがありますので、脱水にならないように刺激の少ない口当たりの良い水分を中心に与えるように心がけてください。ほとんどは軽症で自然に良くなりますが、ごくまれに髄膜炎を合併することがありますので、注意が必要です。園や学校は、熱や口内炎がある間はお休みするのが無難だと思います。症状が安定している場合は登校可能です。なお、便から長期間にわたってウイルスが排出されますが、きちんと管理されたプールでは塩素によりウイルスが死滅しますので、プールによる感染の心配はまずありません。
■とびひ(伝染性膿痂疹)
「とびひ」は、あせもや虫刺され、擦り傷などに細菌(多くは黄色ぶどう球菌か溶血性連鎖球菌)が感染し、水ぶくれや痂皮(かさぶた)が出来たものです。病変部はむずがゆいためにかきむしり、手に細菌が付着します。その手で別のところをかくと、そこに爪によって傷ができて新しい病変ができ、次々に化膿した病変が火の粉が飛ぶように広がってゆくことから、この病名がついています。
伝染力が強く自分自身で病変部を増やしてしまうだけでなく、兄弟やお友達にも細菌のついた手を介して感染が広がってゆきます。この病気も肌が露出して、虫刺されなどの機会の多い夏に多発します。「とびひ」はあせも、湿疹、虫刺され、擦り傷などがあるときに汚れた手でひっかくことによって始まりますので、元々の病変をきちんと早めに治療することと、皮膚や手を清潔にし、爪も短くしておくことが治療上も予防的観点からも大切なことです。
治療は抗生物質の内服と抗生物質含有ステロイドが入った塗り薬が基本です。場合によってはかゆみを抑える飲み薬や浸出液をおさえる亜鉛華軟膏が組み合わされることもあります。消毒液は、浸出液に触れると殺菌作用がなくなること、皮膚の細胞にも毒性に働くこと、さらに、接触性皮膚炎(かぶれ)の原因になる可能性などから不要です。他の人への感染防止からも、ひっかいて体の他の部位への拡大を防ぐ意味からも患部が乾燥するまではガーゼ保護する方がよいでしょう。皮膚を清潔に保ち、菌が増殖しにくい環境を整えるとともに、びらん・痂皮に存在する細菌量を減らすため、患部はこすらない程度に泡立てた石鹸でやさしく洗い流すようにしましょう。浴槽につかることも問題ありませんが、洗い流した痂皮や浸出液の再付着を防ぐため、シャワー浴が適しています。感染を防ぐ意味から兄弟姉妹での一緒の入浴は避け、家庭での入浴は最後が望ましいでしょう。
幼稚園や学校を休む必要はありませんが、プールは「とびひ」が乾いて感染の心配がなくなるまではお休みさせた方がよいでしょう。
■水いぼ(伝染性軟属腫)
水いぼもウイルスが皮膚の細胞の中で増殖して発症します。丸くて小さな光ったイボです。大きいものでは中心にくぼみが見えます。つぶすと白いかたまりが出てきて、この中にウイルスが含まれているので、これが皮膚につくとうつります。主に肌と肌の接触によってうつりますが、その他タオルなどを介して感染するとされています。園や学校で遊んでいて、水いぼに接触すればうつってしまいます。兄弟間や園などでごく小さな流行がみられたこともあって、伝染性軟属腫という名前がつけられています。弱いウイルスなので、免疫反応も起きにくく、自然に治るのには時間がかかります。放置しても個々の皮疹は約2ヶ月で消失しますが、自分でひっかいて体のあちこちに広がる場合があります(水いぼができると痒みが生じます:モルスクム反応)。1年経過では95%近くが自然治癒しますが、自家接種があるために完全消失には6ヶ月から3年(平均で6~7ヶ月)の時間を要します。さらにアトピー性皮膚炎や乾燥肌にて皮膚のバリア機能が弱いと水いぼのウイルスが感染しやすいため、水いぼも広がりますし、アトピー性皮膚炎も悪くなります。水いぼを積極的に治療(ピンセットでの水いぼとり)するのか、全く治療しないのか、痛みの少ない治療(ヨクイニン、硝酸銀、スピール膏、グルタールアルデヒドなど)で様子をみるのかは意見が分かれます。お子さん自身では決められないので、保護者の方に治療法を決定していただくことになります。最低限、外用薬や内服薬によってアトピー性皮膚炎や乾燥肌などの基礎疾患のコントロールをして、自家接種や痒みを抑える必要はあります。プールについては、学校や園などの施設によって異なりますが、旧文部省の通達では、ビート板の共用さえしなければ、学校ではプールに入ってよいことになっています。但し、プールでの体の接触は少なくないので人から人へうつってはしまいます。
水いぼ(伝染性軟属腫)の説明
(平成16年7月1日)
参照:皮膚疾患100の質問(メディカルレビュー社),新潟県小児科医会HP,土川内科小児科ニュース など
■手足口病
手足口病は名前の通り手・足・口などに水疱性発疹が見られる病気で、コクサッキーA16やエンテロ71などのウイルス感染が原因であることがわかっています。この他にもコクサッキーA10・A4・A5・A6などによってもおきますので、異なったウイルス感染を受けたために繰り返し手足口病が現れることもあります。7月を中心として夏に多く、好発年齢は1~4歳、潜伏期間は3~5日です。数年後とに流行が繰り返されています。伝染の様式は、気道分泌物・便の直接・間接接触と飛沫感染で、ウイルスの排泄は、咽頭から1~2週間、便から3~5週間と非常に長く続くため、隔離は不要とされています。
ウイルスの種類により発疹のでかたに差があり、コクサッキーAでは、手と足に見られることが多いのに対し、エンテロ71では、手足のほか大腿や臀部にも見られることが多いと言われていますが、手と足だけ、手と口だけなどと、全ての症状がそろわないことも珍しくありません。発疹は通常3~7日で痕を残さずに消退します。発熱は見られないか、あっても38℃前後で、高熱が続くことはほとんどありません。のどが痛いためによだれが多くでたり、食べ物を受け付けなかったりすることがありますので、脱水にならないように刺激の少ない口当たりの良い水分を中心に与えるように心がけてください。ほとんどは軽症で自然に良くなりますが、ごくまれに髄膜炎を合併することがありますので、注意が必要です。園や学校は、熱や口内炎がある間はお休みするのが無難だと思います。症状が安定している場合は登校可能です。なお、便から長期間にわたってウイルスが排出されますが、きちんと管理されたプールでは塩素によりウイルスが死滅しますので、プールによる感染の心配はまずありません。
■とびひ(伝染性膿痂疹)
「とびひ」は、あせもや虫刺され、擦り傷などに細菌(多くは黄色ぶどう球菌か溶血性連鎖球菌)が感染し、水ぶくれや痂皮(かさぶた)が出来たものです。病変部はむずがゆいためにかきむしり、手に細菌が付着します。その手で別のところをかくと、そこに爪によって傷ができて新しい病変ができ、次々に化膿した病変が火の粉が飛ぶように広がってゆくことから、この病名がついています。
伝染力が強く自分自身で病変部を増やしてしまうだけでなく、兄弟やお友達にも細菌のついた手を介して感染が広がってゆきます。この病気も肌が露出して、虫刺されなどの機会の多い夏に多発します。「とびひ」はあせも、湿疹、虫刺され、擦り傷などがあるときに汚れた手でひっかくことによって始まりますので、元々の病変をきちんと早めに治療することと、皮膚や手を清潔にし、爪も短くしておくことが治療上も予防的観点からも大切なことです。
治療は抗生物質の内服と抗生物質含有ステロイドが入った塗り薬が基本です。場合によってはかゆみを抑える飲み薬や浸出液をおさえる亜鉛華軟膏が組み合わされることもあります。消毒液は、浸出液に触れると殺菌作用がなくなること、皮膚の細胞にも毒性に働くこと、さらに、接触性皮膚炎(かぶれ)の原因になる可能性などから不要です。他の人への感染防止からも、ひっかいて体の他の部位への拡大を防ぐ意味からも患部が乾燥するまではガーゼ保護する方がよいでしょう。皮膚を清潔に保ち、菌が増殖しにくい環境を整えるとともに、びらん・痂皮に存在する細菌量を減らすため、患部はこすらない程度に泡立てた石鹸でやさしく洗い流すようにしましょう。浴槽につかることも問題ありませんが、洗い流した痂皮や浸出液の再付着を防ぐため、シャワー浴が適しています。感染を防ぐ意味から兄弟姉妹での一緒の入浴は避け、家庭での入浴は最後が望ましいでしょう。
幼稚園や学校を休む必要はありませんが、プールは「とびひ」が乾いて感染の心配がなくなるまではお休みさせた方がよいでしょう。
■水いぼ(伝染性軟属腫)
水いぼもウイルスが皮膚の細胞の中で増殖して発症します。丸くて小さな光ったイボです。大きいものでは中心にくぼみが見えます。つぶすと白いかたまりが出てきて、この中にウイルスが含まれているので、これが皮膚につくとうつります。主に肌と肌の接触によってうつりますが、その他タオルなどを介して感染するとされています。園や学校で遊んでいて、水いぼに接触すればうつってしまいます。兄弟間や園などでごく小さな流行がみられたこともあって、伝染性軟属腫という名前がつけられています。弱いウイルスなので、免疫反応も起きにくく、自然に治るのには時間がかかります。放置しても個々の皮疹は約2ヶ月で消失しますが、自分でひっかいて体のあちこちに広がる場合があります(水いぼができると痒みが生じます:モルスクム反応)。1年経過では95%近くが自然治癒しますが、自家接種があるために完全消失には6ヶ月から3年(平均で6~7ヶ月)の時間を要します。さらにアトピー性皮膚炎や乾燥肌にて皮膚のバリア機能が弱いと水いぼのウイルスが感染しやすいため、水いぼも広がりますし、アトピー性皮膚炎も悪くなります。水いぼを積極的に治療(ピンセットでの水いぼとり)するのか、全く治療しないのか、痛みの少ない治療(ヨクイニン、硝酸銀、スピール膏、グルタールアルデヒドなど)で様子をみるのかは意見が分かれます。お子さん自身では決められないので、保護者の方に治療法を決定していただくことになります。最低限、外用薬や内服薬によってアトピー性皮膚炎や乾燥肌などの基礎疾患のコントロールをして、自家接種や痒みを抑える必要はあります。プールについては、学校や園などの施設によって異なりますが、旧文部省の通達では、ビート板の共用さえしなければ、学校ではプールに入ってよいことになっています。但し、プールでの体の接触は少なくないので人から人へうつってはしまいます。
水いぼ(伝染性軟属腫)の説明
(平成16年7月1日)
参照:皮膚疾患100の質問(メディカルレビュー社),新潟県小児科医会HP,土川内科小児科ニュース など