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シミのレーザー治療
2005,08,13, Saturday
皮膚病AtoZ 「シミのレーザー治療-Q switched Nd-YAG Laser」
当院では、色素性疾患の治療にQスイッチの付いたNd-YAGレーザーを使用しております。
主な対象疾患は
・老 人 性 色 素 斑 (シミ)、雀 卵 斑 (ソバカス)
・刺 青
・大 田 母 斑
・ア ー ト メ イ ク
・異 所 性 蒙 古 斑
・外 傷 性 刺 青
・扁 平 母 斑
レーザー治療の原理
特定の色素が存在する部位にその色素に吸収されるレーザー光を照射した場合、レーザー光が色素に吸収されます。そして、光エネルギーが熱エネルギーに変換され、その色素が熱せられ、やがて熱せられた色素から周りの組織に熱が拡散し、熱障害(軽度の火傷)をおこします。それが表面のかさぶたとなって脱落します。
※一部の光は衝撃波となり、対象物を細かく粉砕し、体の中の掃除をするマクロファージが食べて処理をすることによって色素が徐々に薄くなっていきます。従って、真皮内にあるものは治療回数として複数回かかってしまいます。
治療経過
照射直後に表面に軽度の火傷(レーザー照射当日)
↓
・照射後1週間は傷を保護するために、照射部位に軟膏とテープを使用していただきますが、テープの上からのお化粧は可能です。
薄くて濃いかさぶた(照射後2~3日)
↓
かさぶた脱落(照射後7日)
・上皮化後最低3ヶ月は炎症後色素沈着を少なくするために美白剤と日焼け止めクリームは必ずご使用下さい。
色素沈着が一番強い時期(照射後1ヶ月)
↓
・美白剤:ハイドロキノとレチノイン酸を使用します(別途料金が必要です)
徐々に色素沈着が薄くなる(照射後1~3ヶ月)
診察から治療までの手順
カウンセリング⇒同意書⇒洗顔⇒写真撮影⇒表面麻酔(約30分~1時間)⇒レーザー照射⇒患部の冷却
⇒外用剤とテープで患部を保護⇒1週間後に再来
※表面麻酔:全く無痛ではありませんので、痛みに弱い方や痛みを強く感じる部位では麻酔を要します。
また、「まぶた」などでは注射にて麻酔を行う場合もあります。
A メラニン系疾患
①老人性色素斑(シミ)、雀卵斑(ソバカス)
これらは老化や紫外線による表皮のみのメラニン色素の沈着です。顔や肩、前胸部から手背部などの露出部に好発します。
②太田母斑
これは生まれつき、または思春期頃(遅い方では30歳過ぎから)に現れる黒~紺、茶褐色のアザで皮膚の真皮にメラノサイトがあり、その中にたくさんのメラニン色素が含まれている状態で、深い位置にあると青っぽく、浅い位置にあると茶色っぽく見えます。
③異所性蒙古斑
生まれつき臀部にある青いアザが蒙古斑ですが、この蒙古斑が臀部ではなく背部や胸部に見られるものを異所性蒙古斑と呼びます。成人にもなって消えないで残っているものに対しては、太田母斑と同様にQスイッチの付いたNb‐YAGレーザーで治療を行います。
④扁平母斑
生まれつき、または思春期から現れてくる茶色いアザで、状態は表皮にメラニン色素が沈着しているもので、シミやソバカスと同じものですが、このアザは再発の可能性があります。治療前よりも悪化してしまうことはまずありませんが、治療する前から100%治るとは断言できません。一度に全部を治療するのではなくアザの一部分に試しにレーザーを照射してみて、その結果を確認してから全体的な治療を行う方が安心です。
⑤肝斑
これはホルモンの関係で現れるシミで、やはり表皮のメラニン色素が沈着している状態です。出産後などに両頬に対称的に現れるので普通の老人性のシミと区別できます。また、経口避妊薬のピルの長期服用でも現れますし、紫外線を浴びると濃くもなります。肝斑に対してのレーザー照射は効果がないばかりか、多くの場合照射することにより濃くなります。内服薬やメラニン抑制クリーム(美白剤)、ケミカルピーリングで治療をします。この肝斑と老人性色素斑が合併して見られる方が少なからずおられますが、その際は先ず肝斑の治療を優先して行い、その後はっきりと残っている老人性色素斑に対してレーザー治療を行います。
B 刺青やアートメイク
①刺青
刺青は真皮に色素が入っていますので、Qスイッチレーザーで治療を行います。ごく色の薄いものでは1回で目立たなくなること もありますが、平均的には5回程度の治療回数がかかります。また、黒以外の色(黄色、緑、青、紫など)では治療回数がさらにかかり、完全に消しきれない場合があります。刺青の色素のよっては金属(水銀など)を含んでいるものがあり、レーザー照射によって逆に変色してしまう可能性もあります。
②アートメイク
アートメイクも刺青と同じ状態です。全部を消すのではなく、太過ぎたアートメイクを部分的に細くすることも可能です。
③外傷性刺青
交通事故などで極めて細かい砂利などの破片が皮膚の真皮内に入り込んだままいなった状態です。これもQスイッチレーザーで治療を行います。
シミの各種治療法について
2005,08,13, Saturday
皮膚病AtoZ 「シミの各種治療法について」
三省堂「大辞林
第二版」でシミ(染み)を調べると、3番目の項目として(「肝斑」とも書く)(ア)顔面、特に額・眉・頬などに生じる褐色の色素斑。成年女子に多い。原因は明らかではないが内分泌系の失調と考えられている。肝斑(かんぱん)。(イ)中年期以後、顔面や手の甲など日光に当たる部分にできる褐色の色素斑。皮膚の老化が原因 と記載されています。すなわち、肝斑を主体にしながらも、後天性(生まれた後、特に加齢とともに)に出てきた皮膚の茶色い斑点(盛り上がりがないもの)全般を指しているようです。これに皮膚科の病名を当てはめていくととても沢山の疾患が含まれることになります。ここでは、皆さんから相談されることが多いいくつかの代表的なシミを取り上げたいと思います。
シミの種類と治療法
① 老人性色素斑、光線性花弁状色素斑、雀卵斑(そばかす):レーザー治療が有効
老人性色素斑は顔面や四肢の伸側にみられる比較的境目がはっきりしたシミで、日光光線性色素斑は、肩から背中にかけて大豆大までのコンペイトー様の褐色の色素斑が多発するもので、海水浴などで日焼けしたあとに出来やすいものです。シミが薄いとレーザーは反応しにくく、炎症後色素沈着の度合いによってはかえって濃くなる場合もありますので、ハイドロキノンやレチノイン酸などの美白剤が適応になります。場合によっては中周波という弱い電気にて表面を軽く乾固・焼灼させる方法も有効です。そばかすは色白の女性に5~6歳以降に頬を中心に出てくる淡い褐色をした小さな斑点が多発するもので遺伝傾向があります。同じくレーザーに反応します。紫外線は悪化因子です。
② 遅発性太田母斑様色素斑(後天性真皮メラノサイトーシス):Qスイッチレーザー治療が有効
遅発性太田母斑は幼少時からみられる通常の太田母斑(青アザ)とは異なり、左右対称性に両側に生じ、青みが少なく褐~灰褐色の5mm位までの小さい斑の多発で、時に肝斑(シミ)と間違われます。しかし、真皮内にメラノサイトの増殖があるという点では通常の青アザと同じです。青アザと同様にQスイッチレーザー治療が有効です。3ヶ月以上の間隔をあけて平均4~5回の治療が必要となります。
③ 肝斑、炎症後色素沈着(ニキビ痕、アトピー性皮膚炎痕、やけど痕など):レーザー治療は無効
肝斑は主に30歳以降の女性の顔面(こめかみ、頬など)に左右対称性に生じる様々な色調や形、大きさのシミです。ホルモンバランスの乱れが基礎にあり、日光で悪化しますが、経口避妊薬などにても発生することがあります。炎症後色素沈着は様々な原因にて発生しますが、赤ニキビ、やけどやかぶれの後に茶色く残るシミなどが代表的なものです。いずれもレーザーにて一度は軽い火傷の痕のように色素が脱落してピンク色になりますが、その後に以前よりも濃くなることが知られています。これらに対してはビタミンC、ハイドロキノン、レチノイン酸などの美白剤の外用やグリコール酸によるケミカルピーリングが中心となります。もちろん日焼け止めをきっちり使用して遮光に心がけることが大切です。外用剤での治療は最低でも半年から1年という期間を要します。継続することが重要です。アトピー性皮膚炎に伴う色素沈着では、皮膚表面(表皮)でのメラニン色素の増加に加えて、引っかいたりすることによって真皮内へ色素が脱落していますので、症状のコントロールとともに上述の美白治療を行い、消退しない部位に対してはQスイッチレーザー治療を行うことがあります。また、美白剤などの治療に対しても刺激などを生じやすいため、様子をみながら徐々に治療を進めて行きます。ビタミンCのイオン導入も刺激が少なくて行いやすい治療でしょう。
ビタミンC、・ハイドロキノン、・レチノイン酸、・日焼け止め、中周波、レーザーの概説
①ビタミンC:下記治療が刺激症状にて使用できないときや化粧品として使用していただきます。イオン導入を行うとより効果的です。
②ハイドロキノン:チロシナーゼという酵素をブロックして、メラニン色素を作る細胞の中で色素が作られるのを抑えます。また還元作用によって出来てしまっているメラニン色素を薄くする作用もあります。当院では5%の濃度で使用していただいています。ハイドロキノン製剤使用説明書参照。
③レチノイン酸:ビタミンA酸(trans-retinoic acid:トレチノイン)。表皮細胞のターンオーバー(生まれ変わり)を早めて色素を早く外へ排出することによってシミを薄くします。また、角質層を薄く保つことができるのでニキビ治療にも汎用されますし、バリア層が薄くなるので他の外用剤の成分が角層を通過しやすくなります。そのため、ハイドロキノンと併用するとより効果的です。時に刺激症状のために使用が制限されることがありますが、使用量や回数を加減することで継続可能です。当院では0.025%から0.2%を用意しています。レチノイン酸外用剤使用上の注意参照。
④日焼け止め:日常生活においてはSPF20程度のもので結構ですが、シミ治療を行うにあたってはどの治療法を選択するにせよ必須です。
⑤中周波:高周波と低周波の間の周波「中周波」の微弱電流を流して表皮表面を軽く焼くようなものです。レーザーに比べて低侵襲(まわりへのダメージが少ない)で、色素がなくても反応するのが利点ですので、薄いシミが適応となります。レーザー治療同様、上記美白剤を用いたアフターケアがより効果を確実なものにします。その他、顔面の小さな老人性イボ、首周りの小さなイボや老人性血管腫(首や胸に出来る赤い小さなイボ)の治療には最適です。
⑥レーザー:メラニン色素に特異的に吸収されるレーザー光をあてると、局所で光のエネルギーから熱のエネルギーに変換されるので、周りへの熱影響が少ない「適度なやけど」を起こすことができます。そうして薄いかさぶたを作ってシミを表皮ごと取り除くのです。レーザーといえども「やけど」ですから、大なり小なりの炎症後色素沈着がおきますので、日焼け止めのみならず上記美白剤を使用した積極的なアフターケアが必須です。薄いシミではメラニン色素が少ないので「適度なやけど」を起こせないので有効性が低くなります。シミのレーザー治療を参照下さい。
⑦ケミカルピーリング:グリコール酸などの弱い酸を用いて、皮膚表面の角質を整える治療で、ニキビ治療に特に有用です。角質を調整するとその下の皮膚も整えられることがわかってきています。グリコール酸には強くはないですが、メラニン色素の産生を抑える作用や真皮を厚くする作用がありますので、総合的な美肌(抗光老化)つくりに寄与します。肌のターンオーバーを目安に、10日から2週間の間隔で繰り返してゆきます。当院では手技を習熟後、ご自宅で継続していただきたく、独自のピーリングセットをご用意しています。洗顔後、ピーリング剤を塗布してマッサージするようになじませてゆきます。ピリピリした痛みを伴うこともありますが、ごく軽度です。冷却した後にビタミンCを外用(マスク使用、イオン導入など)するとより効果的です。施術後も通常通りにお化粧はできます。セルフピーリングが面倒と思われる方には、安定型ビタミンCを配合した化粧水代わりにご使用していただけるマイルドピーリングローションをご用意していますので、洗顔後にご愛用の化粧水の前に日々ご使用下さい。
Q and A 2)シミ、美白剤の使い方
Q1.シミ(肝斑)の患者さんにビタミンCとともにトランサミン®(トラネキサム酸:抗プラスミン薬で線用系が亢進した際の止血剤であるが、湿疹,蕁麻疹,薬疹,扁桃炎などの際にもよく処方されます。これはプラスミンによるアラキドン酸の遊離やプロスタグランディン産生を抑制するといった抗炎症・抗アレルギー作用を期待したものです。)が処方されますが、どのような効果があるのでしょうか?また、使用できないのはどのような疾患があるときですか?
A2.トラネキサム酸が肝斑に有効であることが報告されたのは1979年のことだそうです。その後、日本においては次第に広く皮膚科医の間では使用されています。本邦では自家製剤のハイドロキノン以外に有効な治療法が長らくなかったことも関係するのかも知れません。紫外線や妊娠、あるいは経口避妊薬の服用にて皮膚局所のプラスミン活性が高まって、メラノサイトが刺激を受けてメラニン色素の産生が増加します。そこにトラネキサム酸の抗プラスミン作用でメラノサイトを刺激する因子を抑えることによって効果を発揮するのではないかと考えられています。内服を開始して1~2ヶ月で効果が出始めることが多いようですが、内服中止によって再燃してきます。また肝斑は紫外線によって悪化しますので、サンスクリーン剤を適切に使用することも重要です。ハイドロキノンやレチノイン酸の外用を併用することによって効果が高まることが知られています。最近では、日本の大手化粧品会社から医薬部外品(薬用化粧品)も販売されています。高脂血症や心疾患などのために抗凝固療法を行っている方へは使用されません。その他、ビタミンCやビタミンEの内服も有効であることが知られています。
シミの種類と治療法
① 老人性色素斑、光線性花弁状色素斑、雀卵斑(そばかす):レーザー治療が有効
老人性色素斑は顔面や四肢の伸側にみられる比較的境目がはっきりしたシミで、日光光線性色素斑は、肩から背中にかけて大豆大までのコンペイトー様の褐色の色素斑が多発するもので、海水浴などで日焼けしたあとに出来やすいものです。シミが薄いとレーザーは反応しにくく、炎症後色素沈着の度合いによってはかえって濃くなる場合もありますので、ハイドロキノンやレチノイン酸などの美白剤が適応になります。場合によっては中周波という弱い電気にて表面を軽く乾固・焼灼させる方法も有効です。そばかすは色白の女性に5~6歳以降に頬を中心に出てくる淡い褐色をした小さな斑点が多発するもので遺伝傾向があります。同じくレーザーに反応します。紫外線は悪化因子です。
② 遅発性太田母斑様色素斑(後天性真皮メラノサイトーシス):Qスイッチレーザー治療が有効
遅発性太田母斑は幼少時からみられる通常の太田母斑(青アザ)とは異なり、左右対称性に両側に生じ、青みが少なく褐~灰褐色の5mm位までの小さい斑の多発で、時に肝斑(シミ)と間違われます。しかし、真皮内にメラノサイトの増殖があるという点では通常の青アザと同じです。青アザと同様にQスイッチレーザー治療が有効です。3ヶ月以上の間隔をあけて平均4~5回の治療が必要となります。
③ 肝斑、炎症後色素沈着(ニキビ痕、アトピー性皮膚炎痕、やけど痕など):レーザー治療は無効
肝斑は主に30歳以降の女性の顔面(こめかみ、頬など)に左右対称性に生じる様々な色調や形、大きさのシミです。ホルモンバランスの乱れが基礎にあり、日光で悪化しますが、経口避妊薬などにても発生することがあります。炎症後色素沈着は様々な原因にて発生しますが、赤ニキビ、やけどやかぶれの後に茶色く残るシミなどが代表的なものです。いずれもレーザーにて一度は軽い火傷の痕のように色素が脱落してピンク色になりますが、その後に以前よりも濃くなることが知られています。これらに対してはビタミンC、ハイドロキノン、レチノイン酸などの美白剤の外用やグリコール酸によるケミカルピーリングが中心となります。もちろん日焼け止めをきっちり使用して遮光に心がけることが大切です。外用剤での治療は最低でも半年から1年という期間を要します。継続することが重要です。アトピー性皮膚炎に伴う色素沈着では、皮膚表面(表皮)でのメラニン色素の増加に加えて、引っかいたりすることによって真皮内へ色素が脱落していますので、症状のコントロールとともに上述の美白治療を行い、消退しない部位に対してはQスイッチレーザー治療を行うことがあります。また、美白剤などの治療に対しても刺激などを生じやすいため、様子をみながら徐々に治療を進めて行きます。ビタミンCのイオン導入も刺激が少なくて行いやすい治療でしょう。
ビタミンC、・ハイドロキノン、・レチノイン酸、・日焼け止め、中周波、レーザーの概説
①ビタミンC:下記治療が刺激症状にて使用できないときや化粧品として使用していただきます。イオン導入を行うとより効果的です。
②ハイドロキノン:チロシナーゼという酵素をブロックして、メラニン色素を作る細胞の中で色素が作られるのを抑えます。また還元作用によって出来てしまっているメラニン色素を薄くする作用もあります。当院では5%の濃度で使用していただいています。ハイドロキノン製剤使用説明書参照。
③レチノイン酸:ビタミンA酸(trans-retinoic acid:トレチノイン)。表皮細胞のターンオーバー(生まれ変わり)を早めて色素を早く外へ排出することによってシミを薄くします。また、角質層を薄く保つことができるのでニキビ治療にも汎用されますし、バリア層が薄くなるので他の外用剤の成分が角層を通過しやすくなります。そのため、ハイドロキノンと併用するとより効果的です。時に刺激症状のために使用が制限されることがありますが、使用量や回数を加減することで継続可能です。当院では0.025%から0.2%を用意しています。レチノイン酸外用剤使用上の注意参照。
④日焼け止め:日常生活においてはSPF20程度のもので結構ですが、シミ治療を行うにあたってはどの治療法を選択するにせよ必須です。
⑤中周波:高周波と低周波の間の周波「中周波」の微弱電流を流して表皮表面を軽く焼くようなものです。レーザーに比べて低侵襲(まわりへのダメージが少ない)で、色素がなくても反応するのが利点ですので、薄いシミが適応となります。レーザー治療同様、上記美白剤を用いたアフターケアがより効果を確実なものにします。その他、顔面の小さな老人性イボ、首周りの小さなイボや老人性血管腫(首や胸に出来る赤い小さなイボ)の治療には最適です。
⑥レーザー:メラニン色素に特異的に吸収されるレーザー光をあてると、局所で光のエネルギーから熱のエネルギーに変換されるので、周りへの熱影響が少ない「適度なやけど」を起こすことができます。そうして薄いかさぶたを作ってシミを表皮ごと取り除くのです。レーザーといえども「やけど」ですから、大なり小なりの炎症後色素沈着がおきますので、日焼け止めのみならず上記美白剤を使用した積極的なアフターケアが必須です。薄いシミではメラニン色素が少ないので「適度なやけど」を起こせないので有効性が低くなります。シミのレーザー治療を参照下さい。
⑦ケミカルピーリング:グリコール酸などの弱い酸を用いて、皮膚表面の角質を整える治療で、ニキビ治療に特に有用です。角質を調整するとその下の皮膚も整えられることがわかってきています。グリコール酸には強くはないですが、メラニン色素の産生を抑える作用や真皮を厚くする作用がありますので、総合的な美肌(抗光老化)つくりに寄与します。肌のターンオーバーを目安に、10日から2週間の間隔で繰り返してゆきます。当院では手技を習熟後、ご自宅で継続していただきたく、独自のピーリングセットをご用意しています。洗顔後、ピーリング剤を塗布してマッサージするようになじませてゆきます。ピリピリした痛みを伴うこともありますが、ごく軽度です。冷却した後にビタミンCを外用(マスク使用、イオン導入など)するとより効果的です。施術後も通常通りにお化粧はできます。セルフピーリングが面倒と思われる方には、安定型ビタミンCを配合した化粧水代わりにご使用していただけるマイルドピーリングローションをご用意していますので、洗顔後にご愛用の化粧水の前に日々ご使用下さい。
Q and A 2)シミ、美白剤の使い方
Q1.シミ(肝斑)の患者さんにビタミンCとともにトランサミン®(トラネキサム酸:抗プラスミン薬で線用系が亢進した際の止血剤であるが、湿疹,蕁麻疹,薬疹,扁桃炎などの際にもよく処方されます。これはプラスミンによるアラキドン酸の遊離やプロスタグランディン産生を抑制するといった抗炎症・抗アレルギー作用を期待したものです。)が処方されますが、どのような効果があるのでしょうか?また、使用できないのはどのような疾患があるときですか?
A2.トラネキサム酸が肝斑に有効であることが報告されたのは1979年のことだそうです。その後、日本においては次第に広く皮膚科医の間では使用されています。本邦では自家製剤のハイドロキノン以外に有効な治療法が長らくなかったことも関係するのかも知れません。紫外線や妊娠、あるいは経口避妊薬の服用にて皮膚局所のプラスミン活性が高まって、メラノサイトが刺激を受けてメラニン色素の産生が増加します。そこにトラネキサム酸の抗プラスミン作用でメラノサイトを刺激する因子を抑えることによって効果を発揮するのではないかと考えられています。内服を開始して1~2ヶ月で効果が出始めることが多いようですが、内服中止によって再燃してきます。また肝斑は紫外線によって悪化しますので、サンスクリーン剤を適切に使用することも重要です。ハイドロキノンやレチノイン酸の外用を併用することによって効果が高まることが知られています。最近では、日本の大手化粧品会社から医薬部外品(薬用化粧品)も販売されています。高脂血症や心疾患などのために抗凝固療法を行っている方へは使用されません。その他、ビタミンCやビタミンEの内服も有効であることが知られています。