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健康で長寿を楽しむ食生活<その1>

 ※本号では、白澤卓二先生の著書『100歳まで元気に生きる食べ方』(三笠書房)からヒントを得て、私なりに長寿を目指す皆さんに役立つ食生活のポイントをまとめてみました。

最近ではすっかり"アンチエイジング"という言葉が市民権を得て、ちまたに飛び交っています。皮膚科学会でも「見た目のアンチエイジング」として美容皮膚科というジャンルが定着していることからも、医療の世界においても同様であることがわかります(さらに、学会の演題の中で、美容系の割合が急増し、その会場に聴衆が集まっています)。
アンチエイジングという言葉からは「老化に対して抗う(あるいは不老長寿)」というイメージをもたれる方もおられるかもしれませんが、実際には「健康で長寿を楽しむ」というのがその本質だと思います。そういった意味では、「サクセスフルエイジング」「ウエルネスライフ」などといった言葉のほうがわかりやすいかも知れません。少し前には竹内一郎氏の『人は見た目が9割』(新潮新書)という本が売れたことからもわかるように、確かに「見た目」も大切でしょうが、これは健康を損なっている状態での話ではありません。ここ数年で同僚の若き死に接したり、友人が糖尿病になったり、膵炎で入院したりと、私自身に病気(特に生活習慣病)が発覚してもおかしくない年齢帯に入ったことを思い知らされました(まさしく男の厄年前後です)。それを契機に禁煙とダイエット、運動量増加に取り組んで、現在は何とか以前に比べると改善された状態になってきたところです。しかし、アンチエイジングに最も大切だと思われる食生活には無頓着で、不規則な食事時間(昼なし、遅い夕食など)、暴飲暴食、そして早メシなど悪い点を挙げればキリがない状態です。そんな折に、昨年末、白澤卓二先生の『100歳まで元気に生きる食べ方』(三笠書房)を手にする機会があり、自分の食生活を振り返ってみるきっかけとなったのです。皆さんもご一緒にいかがですか?

長寿は20~30%しか遺伝しない
(村上コメント★病気全般についても言えることですネ)
環境や食生活、ライフスタイルによって決まる。言いかえれば、これらを改善することによって寿命を伸ばすことができるのです。

長寿には50歳からの食生活が重要
(村★でもこれが難しいのよね…)
食生活を含めた生活習慣をどう改めるか?が重要。確かに普段の食生活や生活環境の積み重ねで生活習慣病へ突き進んで行くのです。しかし無理のないレベルで無意識に行えるくらいでないと継続できませんから、私のような意志薄弱な者は負担の少ない簡単なことから少しずつ慣らしてゆくのがよいのでしょう。体重が減少したり、悪かった血液検査の数値が改善すれば、それが褒美になり、モチベーションも持続できるのではないでしょうか?

老化は「肝臓、腎臓、動脈硬化」から始まる
(村★抗重力筋<大殿筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋など>も大切です)
肝臓や腎臓は加齢に伴って重量は軽くなりますが、脳や心臓などの重要な臓器はあまり変化しません。すなわち、脳や心臓などへの重要な血管さえ閉塞しなければ健康寿命は延長するのです。とにかく先ずは重要な箇所を守る、ということですね。今回は「食事・食生活」の話を中心にしていますので省略しますが、運動でも上述の老化とともに衰えやすい筋肉を鍛錬するのがよいとされています。例えば太極拳や日本舞踊など、中腰になる動作を継続している方の体年齢は実年齢より若いと言います。

寿命を伸ばす食事の3大ポイント
(村★「よく噛む」こと(一口30噛み)も付記されていました)
カロリー制限を行った上での報告ではありませんが、低インスリン、低体温、高DHEA-S血中濃度を示すヒトのグループは、そうでないグループに対して生存率が高いことが確認され、そうした変化がアカゲザルでのカロリー制限での研究においても報告されています。こうしたことから、ヒトにおいてもカロリー制限あるいは食生活の改善が寿命に影響を与えることが十二分に考えられます。

①体内の「インスリン」を大事に使う
(村★年齢とともにインスリン分泌量が減少するからです)
これには私自身が昼食をほとんどとらないで夕食が過剰になっているため、多いに反省させられました。近日、血糖測定器を購入して毎食後に経時的に血糖を測定してみようと思っています。自分の普段の食事内容によって、食後どのように血糖値が変化するのかが身をもってわかります。恐らくはGI(グリセミックインデックス)値が高いものを摂取すれば、血糖値は急上昇するという教科書通りのことを体験することになるのだろうと思いますが、実体験することでより強い動機付けになることが期待できます。
・朝食を抜かないこと
血糖が急増すると、インスリンが急激に消費される。毎食(1日3食)少量でも摂取をする。
・インスリンに負担をかけない朝食を食べること
ゆっくり血糖値を上げる食事がよい。ネバネバ食品(納豆、オクラ)、豆腐などが紹介されています。
②「カロリーの過剰摂取」をしない
(村★これはかなり有名な話なので、皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか?)
「カロリー制限」(食餌中の特定成分の制限や毒性物質の減少、という意味ではない)がアンチエイジングや寿命延長に有用であることは、現在までに無脊椎動物から大型哺乳類にいたるまでよく知られています。成長を遅延させたり、代謝率(単位組織あたりの酸素消費率)を低下させることによって寿命が延長する、などと言われていたこともあります。これらは現在では否定されています。一時はカロリー制限にも体脂肪減少との関連が言われ、これも否定的でしたが、最近では脂肪細胞が多くの生理活性物質を産生していることなどから、脂肪細胞機能との関連が再評価されてきています。また、これらは進化の過程(環境変化に伴って頻繁に生じる飢餓状態に対応するなど)で獲得してきたものであり、遺伝子やその産物がかかわるとの考え(Hollidayの仮設)が最近では支持されているようです。

過食を制限することの有用性に関しては、貝原益軒の『養生訓』にも「それは飲食を適度にして過食をせず、脾臓と胃とを傷つけて病を誘発する...」などと出ていること、「小食に病なし」あるいは「大食は病のもと」との格言もあるように、経験則から自ずと導かれている道理なのかも知れません。白澤卓二先生の著書では、下記のようなことが記されていました。
・DHEA-Sは20歳でピーク、年齢とともに直線的に低下
カロリー制限で筋肉にたまるストレスが押さえられ、DHEA-Sの減少を抑制できる。
・βアミロイドタンパクの沈着(脳の老人斑)
アルツハイマー病発症モデルマウスでは、高脂肪食では普通食の2倍に増加するが、カロリー制限では逆に3分の一に減少。すなわち、カロリー制限をし、食事を低脂肪にすればアルツハイマー病発症の危険性が下がる可能性がある。
・「腹八分目」ではなく、「腹七分目」を目指せ
…とのこと。これが難しい。特に夜が…。
・目標体重は「20歳の時の体重+5kg」の維持、だそう
私の場合は上記が実践されないので、これも到達できず。
・一日に必要とするエネルギー量を計算する

一日に必要とするエネルギー量=一日の基礎代謝量(1500kcal)×生活活動強度(Ⅲ段階:中程度=強度は1.7)=2550kcal(私自身の概算)。でも実際の摂取量をカロリー計算してみると、その多さに愕然としてしまいます。これは先頃話題になった岡田斗司夫氏の『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)にも紹介されています。200 kcalというと、ご飯なら茶碗軽めの一杯、小さめのあんぱん1個くらいですが、これを消費するのに必要な運動は1時間のウォーキングと同程度であることを考えると、いかに運動でカロリーを消費するのが困難か?ということもわかります。
また一度万歩計をつけて、1週間の平均歩数を調べてみるとよいかもしれません。私などは1万歩どころか6千歩/日しか歩いておらず驚愕しました。摂取カロリーを制限するほうが、はるかに現実的だと思い知りました。
③体のサビつきを防ぐ(抗酸化)
(村★私自身、大層興味がある分野でもありますので、後日項を改めてご紹介します)
個人的には日常生活での活性酸素からの防御が困難だからこそ、サプリメントや水素水なども活用したいと思っています。
・活性酸素を増やす加工食品類を避ける
コンビニ弁当やファーストフードの食品添加物の多い食事を避ける。
・ファイトケミカルの摂取
赤ワインのポリフェノール、緑茶のカテキン、キノコのβ-グルカン、緑黄色野菜のβ-カロテンなどを積極的に活用すること。多彩な野菜や果物の摂取に加えて、無農薬野菜や無添加食品を選択することも重要。

参照:養生訓(現代語訳)(<http://home.att.ne.jp/theta/mo/you/genbun.html>)、下川 功(ANTI-AGING MEDICINE 2005;1(2):24-28)

2008年01月13日

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